2024.03.20

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俺はもう死ぬんだ ホームレス/ハウスレス~札幌発・生活困窮者の今と支援(第3話)ホームレスを支援する元ホームレス・その1

ホームレスの日々

(イメージ)

それから離職者支援の貸付金で何とか食いつなぐ日を続けます。しかしその時もギャンブルを断ち切ることはできませんでした。45歳の年にその貸付金も得ることができなくなり、麻雀店などで働きながらその日暮らしを続けます。そうして得たわずかな稼ぎもギャンブルにつぎ込み、遂には路上で寝泊まりする身となっていました。46歳でした。

「夜はビルの地下などに潜り込んで横になっていました。2月の最も寒い時期で、ほとんど眠れませんでした。おなかがすいて、スーパーの試食コーナーで食いつないでいたんです。深夜まで営業しているゲームセンターで、ゲームするふりをして時間を過ごしたりしていました」

「退職した時は自己破産するつもりでした。でも、妹が助けてくれたんです。借金の一部を返済して連帯保証人になってくれて、離職者支援の貸付金を一時得ることができたんです」

「でも、それからもダメダメで、ホームレスになってしまったんです」

(イメージ)

北海道北部の小さな町から国家公務員になり、霞が関でも働いたエリートが、一転、ホームレスとして辛酸をなめることになりました。

「俺はもう死ぬんだろうな」

島田さんはぼんやりと覚悟しながら、その日のねぐらを探す身となりました。

その路上生活で、後の人生を左右する出会いを迎えることになります。

◇文・写真 HBC油谷弘洋

・・・・・・

「夜回り」をする支援者(札幌市・1月)

*このシリーズは今後も不定期で連載してゆきます

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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