2024.03.01
出かける森山館長
「こちらは大正時代当時の『旧陸軍第七師団』の敷地を模型にしたものです」
「明治23年、旭川村が設置され、屯田兵や開拓民の入植により、北海道の防衛と開拓と拠点として、多くの人が旭川に集まりました。明治34年に、札幌から旭川への第七師団の移駐があり、さらに多くの賑わいをみせていました」。
「第七師団が保有していた敷地は、東京ドーム約130個分の広大なものでした!札幌月寒の歩兵1個聯隊と、函館の重砲兵大隊を除いた、全ての舞台が旭川に駐屯していたんです。ここまで大規模な駐屯隊形をもっていたのは、ここ旭川だけだったということもあり、『軍都』と呼ばれていました。そういった意味でも、北海道の歴史を語る上で、軍都・旭川の歩みは欠かせないと思います」。
「ちなみに『ゴールデンカムイ』の原作10巻で、“脱獄王”白石由竹が捕らえられていた、歩兵第27聯隊の兵舎はこのあたり(上記画像)ですよ。尾形上等兵のセリフに『南へ逃げろ!』とありますが、その南には『石狩川』があり、たしかに外へと逃げやすいルートとなっています。地形を熟知していた尾形上等兵らしい指示ですよね!」。
森山館長:作品のファンの方に人気なのは、こちらの軍服や軍刀の展示です。一般の方から寄贈頂いたものを中心に展示しています。こちらは、明治19年3月1日に制定されたもので、第七師団の下士官や兵士たちが着用している紺色の軍衣です。
私:このマネキンの服装、とても既視感あります!もしかして、私の推し(月島軍曹)と同じ軍服ですか…?
森山館長:惜しいですねえ。袖のところをよく見てみてください。袖章の本数は、階級を示しています。月島などの『軍曹』は、二本の細線に一本の太線と、金線一条です。
こちらは三本線ですので、『上等兵』が着用する軍服ですね。つまり、尾形や宇佐美の軍服です。
私:なるほど!そういった見分け方があるんですね。
森山館長:ちなみに、肩章の数字が部隊番号で、色が兵科を表しています。こちらのマネキンが着用しているものは、赤色なので、歩兵・近衛兵・憲兵・屯田兵のいずれかで、27番の数字から歩兵第27聯隊所属ということになります。