2024.02.06
暮らす能登半島地震の被災地では、トイレが使用できなくなった場所があり、衛生や健康などの問題が浮かび上がっています。
札幌市では災害時に役立つ、ある特殊なトイレの導入が進んでいます。
1月14日の石川県珠洲市。
水が流せないまま使われていたトイレから、看護師らが汚物を取り除きます。
2つの便器からゴミ袋7袋分の汚物が出ました。
生きていく上で不可欠なトイレ。
災害時にトイレとして活用できる設備が札幌市にあると聞き、見せてもらいました。
マンホール型のトイレです。
ついたてを置き便座部分を組み立てると、5分もかからず完成。
鍵もかけられます。
この型で一式およそ40万円です。
記者が座っても、脚がしっかりしていて安定感があります。
便座もしっかりした構造で安心です。
汚物は、トイレの下にある管に貯められます。
1日1度仕切りを開け、水とともに下水管へ汚物を流す仕組みです。
ここは普段は車庫として利用している場所ですが、災害時にはマンホールトイレを4箇所設置できる仕様になっているといいます。
ここを含め、札幌市には6か所、合わせて47基設置されているというマンホールトイレ。
白石区役所も、その1つです。
庁舎の路面にある長方形のマンホール。
ここに災害用トイレと書かれています。
マンホールトイレには、設置の条件があるといいます。
まず、流すのに十分な量を受け入れられる下水道管があること。
ある程度の数がまとまって設置できるような場所であること。
避難所や広域避難場所の近く、もしくはその場所の敷地内であること。
屋根がある設置場所は現在1か所のみ。
除雪や寒さの問題も残ります。
災害関連死に詳しい関西大学の奥村与志弘教授は、トイレは命に直結する問題だと指摘します。
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