2024.01.27

深める

【ロケ密着①】映画『ゴールデンカムイ』はこうして作られた。北海道・二風谷で行われた杉元・アシㇼパの「コタン」シーン、美術スタッフが込めた想い

映画『ゴールデンカムイ』、自然の風景にも注目を

チセに降り積もった雪

本当は、通常の撮影の観点からすると、アシㇼパが住むポンチセ(小さな家)を、コタンの真ん中に配置したかったんです。でも、アシㇼパのおばあちゃんが一人で住んでいるポンチセが真ん中にあるのはおかしいんじゃないか、やっぱり、コタンの真ん中には、ポロチセ(村長家族が住む、ポンチセより大きな家)があるべきだと。そういったことも踏まえて設計しました。

あとは、撮影の時期と、朝日が昇る方角やタイミングなども計算をしました。
映画の中で、杉元がチセを出ていく朝のシーンがあるんですけど、そこではきれいな朝日が見られると思いますよ。

映画撮影に使用されたカメラ越しにみた、コタン

この(ロケをした)土地は、もともと、人々の暮らしと、自然がきれいに調和するような場所だったんだと思うんですよ。いまもそこの川にはヤマメなんかもいるみたいですし。

本当は、ここで狩猟をして暮らしていくとなると、この広さだと、チセ5軒くらいがちょうどいい。そんなに多くの人数を養える場所ではないんです。ですので、映画用のセットも、もともと5軒だけつくるつもりだったのです。でも、撮影にあたって、ちょっと上のほうが寂しかったので、2軒追加して7軒になってはいますが(笑)

磯見俊裕さんと、久保茂昭監督。

可能な限り、自然と向き合いながら、撮影用のセットも作っていかないとだろうなと。『ゴールデンカムイ』という作品をつくるなら。特にコタンに関しては、原作の肝となる場所でもあるので、僕らもちゃんとしようということで、みんなで勉強して進めてきました。

もともとの土地を生かしたセットにこだわっているので、映画をご覧いただく際にはそのあたりも意識してみると、面白いかもしれませんね。

映画 『ゴールデンカムイ』 概要

©野田サトル/集英社 ©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

映画『ゴールデンカムイ』は、全国東宝系にて大ヒット公開中です。

■原作: 野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
■監督: 久保茂昭
■脚本: 黒岩勉
■音楽: やまだ豊
■主題歌: ACIDMAN「輝けるもの」(ユニバーサル ミュージック)
■アイヌ語・文化監修: 中川裕 秋辺デボ
■製作幹事: WOWOW・集英社
■制作プロダクション: CREDEUS
***

⇒次の記事:【ロケ密着②】アイヌ語・文化監修の中川裕さんのインタビュー

取材:HBCスタッフ
文:Sitakke編集部 ナベ子 (『ゴールデンカムイ沼』特集)

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

この記事のキーワードはこちら

SNSでシェアする

  • X
  • facebook
  • line

編集部ひと押し

あなたへおすすめ

エリアで記事を探す

FOLLOW US

  • X