2024.01.13

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大好きな人が亡くなり、心の整理がつきません。どうしたらいい?【2023年ピックアップ③】

Sitakkeで好評の連載「満島てる子のお悩み相談ルーム」

読者から寄せられたお悩みに、ライター・満島てる子さんが一緒に頭を抱える連載です。
2023年11月に、記念すべき【50回目】を迎えました。

ライター・満島てる子

これを記念し、満島てる子さんに「2023年最も印象に残った記事【BEST3】」を選出してもらいました!
3回に渡って再配信します。

***

第1回目:エピソードがカオスよランキングベスト1~「他人の愚痴を聞くのがしんどい。メンタルをどう保てばいい??」

第2回目:ズバッと言いましたランキングベスト1~「好きな人にセフレになろうと言われた。どうしたらいい?」

第3回となる今回は、「書けたことを感謝したいランキングベスト1」のご紹介です。
選ばれたのは…2023年3月に配信した「大好きな人が亡くなり、心の整理がつきません。どうしたらいい?」お悩みをテーマにした記事です。

満島てる子さんによる選評

不思議だなと思っているのが、応募フォームに寄せられるお悩み、実は「え、あたしもそれ、ずっと引っかかってたの」って内容が多くて、執筆時間はある意味、自分自身のこころの整理タイムにもなっています。

この回の内容は、まさにその典型例というか。大好きな三重県の祖母が亡くなった時からずっと抱き続けていた、後悔とも悲嘆とも単純に言い切れない、重く沈んだ気持ち。
それを相談者さんのおかげでようやく、文章というかたちにして吐き出すことができたあたしが、当時パソコンの前にいました。
タイピングしながら涙していたのを、今でもよく覚えています。

竹内まりやさんの歌詞じゃないけれど「出会ったこと、笑ったこと、そのすべてにありがとう」と伝えていくこと。それはきっと、誰かと共に生きている間だけではなく、その人と別れてからも大事なんだよね。皆さんのおかげで、あたしもちょっとずつ前に進んでいるみたいです

***

以下、再掲です。

大好きな人が亡くなり、心の整理がつきません。どうしたらいい?

事に気づき、そこからどうしたのかなどの経緯の細かい描写や、「異変に気づいていれば」といった文言に、時々垣間見える悲哀と後悔。メッセージの書き様からして、なかなか周囲にこうした心情を吐露することも難しかったんじゃなかったかしら。

Y.Iさん、この投稿フォームに気持ちを送ってくれてありがとう。そして何より、ご友人を亡くされたことに、心よりお悔やみを申し上げたいと思います。

「もっとこまめに連絡をとればよかった」「もっと何かできていれば」。
チープなコメントかもしれないけれど、その後悔、その気持ち、とてもよくわかります。

以前あたしは、このコラム連載のなかで 「大切な人を亡くし、受け止めきれないでいる」といった相談を受けたことがありました。

2021年の10月。この連載がはじまって、確かちょうど10本目の原稿。
自分の経験についてもお話しさせてもらいながら、「遺されたあたしたちにできるのは、精一杯生きることだと思う」と、そんなメッセージを相談者さんに送らせてもらったことをよく覚えています。

その掲載直後のことです。
三重県に住んでいる祖母が亡くなったと、あたしのところに連絡が来たのは。

突然でした。死因は、脳動脈瘤の破裂。
高齢だったとはいえ、ずっと元気だったおばあちゃん。震える母の声を受話器越しに聞きながら、涙を流すでも声を上げて驚くでもなく、ただ呆然とする自分が、その日そこにはいて……。

少し時間が経って、ようやく落ち着いたときにまずあたしが思ったのは、「どうしてもっと三重県に帰ったり、電話をしたりできなかったんだろう。おばあちゃんとの時間なんでもっと作ろうとしなかったんだろう」ということでした。

正直に言うと、仕事の関係もあって三重県に帰れるのは1年に1度あるかないか。電話も誕生日と敬老の日ぐらい。
それでいいと思っていた。いつでも会えると思っていた。悔いる気持ちは、ずっと消えていません。

小学校の頃、浴衣を着付けてもらって、そのまま花火を一緒に見に行ったり。
北海道に遊びに来てくれたときのモーニングビュッフェで、テーブルに置いてあった食品サンプルのレモンを間違って取ってきて、かじりつく姿に家族みんなで大笑いしたり。

あたしが遊びに来るとなれば、好きな日本酒をルンルンで用意して待っていてくれる、そんな優しくて可愛い、お茶目なおばあちゃん。もうその姿を二度と見れないということを、どこか受け止めきれていない自分が今でもいます。

そんな自分の経験と、重ね合わせていいのかはわからないのだけれど。
Y.Iさんがいま、天国の親友に対しておそらく抱いてらっしゃるであろう、自責の念にも似た感情。あたしには、どこか大事な部分が共鳴するところがあって、他人事とは思えず……。

今回のお手紙を読みながらあたしは、Y.Iさんの境遇を案ずるとともに、自分自身の祖母に対する想いにも気付かされ、どこかしんみりとした心持ちにもなっていたのでした。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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