2024.01.04
みがく札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします。
新年明けましておめでとうございます!
花柳界では「お正月は一番の稼ぎ時」と言われるほど最も忙しい時期になります。
お座敷では黒紋付きの引き着に柳の帯を締め、べっこうのかんざしをさします。
街によっても少しずつ違うようですが、札幌ではこの姿が芸妓の「正装」なのです。(お正月以外ですと、お祝いのお席を務める際も正装をさせていただく場合があります。)
お正月を祝う期間の「松の内」(元旦から1月7日)まではこの時期限定の特別なかんざしもさします。
まずは、稲穂のかんざし。片方の鳩の目は自分で入れ、もう片方は好きな人に入れてもらうと願いが叶う、というなんともロマンチックなジンクスもあります。