年上のメスゾウでニャインの母親でもあるシュティンは、まだ同居には参加していませんが、飼育員たちは、これからに期待を寄せています。
というのも、パールの出産のときのシュティンの様子にありました。
ゾウは、人間には聴こえない低周波で会話をしているといわれています。
小林さんたち飼育員には「出産のとき、何かを話していたんじゃないかなというふうに見えた」のだといいます。
出産直後、少し放心状態になっているパールが、我に返ったようにタオの元に行き、起き上がるのを促し始めたとき、きっと、シュティンが柵越しにサポートしていた…。
だからこそ、今後ゆっくりと同居訓練を進め、いずれ本当にタオを含めたメスゾウ4頭が一緒に暮らせる日を目指しています。
そして、その4頭の中で、ニャインが出産を経験し、「群れ」での子育てがかなうこと。
ニャインが安心して出産し、シュティンや、パールも先輩の母親としてニャインを介助・サポートし、その様子をタオがまた学んで…
そんな群れならではの光景が、動物園のこの場所でみられる日がくること。
小林さんは「ゾウ飼育に関わっている人は一番そこを目指す。それこそゾウがゾウらしくというのにまた一歩近づくと思うのでそこはぶれずにやっていきたい」と力強く話してくれました。
円山動物園の目標でもあり、日本のゾウ飼育の歴史のまた新しい一歩へ…新しい命、タオが新しい風を吹き込んでいます。
タオは公開以来大人気で、動物園は土日を中心に今も混雑が続いています。
狙い目は午後!お昼過ぎだと、ちょうどタオが眠くなる可能性があるので少し遅めがおすすめです。
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