入院患者を、似顔絵で笑顔にするという「似顔絵セラピー」と呼ばれる取り組みが、北海道旭川市の旭川医科大学病院で行われています。
似顔絵にはどんな「力」があるのでしょうか。
相手と言葉を交わしながら絵筆を進める村岡ケンイチさん(41)。
2006年から似顔絵で患者を笑顔にする「似顔絵セラピー」に取り組んでいます。
11月14日、皮膚の悪性リンパ腫で闘病する50代の女性と向き合いました。
似顔絵にはその人の家族や仕事、好きだったことなど「人生の歩み」を表現します。
時間をかけて女性から解き放たれたのは、大好きなイギリスの思い出でした。
「できることなら住みたい」と、女性からは笑顔が増えていきます。
仕事の話にも笑顔が。
そして出来上がった絵は…
受け取った女性は、「自分の楽しかった時が凝縮されています。そういう積み重ねがあるから、今があって、これから元気になって、またイギリスに行きたいなという希望を持ちました」と、目を輝かせていました。
村岡さんが、似顔絵を描くときに心がけていることとは。
「1回自分の人生を見つめなおして、不安な精神状況だと思うんですね。そこにちょっと寄り添って、プラスの志向で前向きに向き合おうと」
村岡さんの描く似顔絵はその人の人生を映す「鏡」です。
似顔絵というアートで、患者の心を癒す活動が続きます。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年11月15日)の情報に基づきます。
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