2023.12.01
深める彼女の名前は、Hさん(仮名・29歳)。「職業はヒ・ミ・ツ♡」と話すHさんは、札幌に住んでいて、たまにこうして小樽の海に釣りに来るんだそう。
「釣りを始めたのは、4〜5年前から。元カレが釣りをしていてそれでハマりました。当時の彼氏と別れてからも釣りをしています。次に付き合った彼氏には、釣りに興味がなかったので、私から刷り込みました(笑)」
「週に1〜2回くらい釣りに来ています~。多い時は3回くらいかな。一日10時間くらい滞在する時もありますね」
多い時には週に3回も小樽を訪れ、長い時には10時間も同じ場所で釣りをしているというHさん。相当な忍耐力とパワーがありそうな人物だが、人生に悩んだりすることはあるのだろうか?
今回の取材テーマをもとに質問をしてみる。
私:いま30歳で学生をしていて、今後の生き方について悩んでいまして...。Hさんも、人生につまずくようなことはありますか?
Hさん:毎日、めちゃくちゃつまずきまくりですよ! でも、釣りをして乗り越えていますね。悩んでいる時はパーっと1人で海に釣りに来る。
私:どんなことに悩むことが多いんですか?
Hさん:そりゃあ男ですよね。だいたい、男のことで悩んでます。次の男を見つけるしかないんですけどね。でもそういうときに、無理をして、乗り換えてもうまくいかないって頭ではわかってるんです。あ~ぁ。いつ結婚できるんだろう~~~。
Hさん:あ!見て見て!また、ホゼが釣れた!
会話をしながら、どんどんホゼを釣っていくHさん。
私:人生で大切にしている価値観はありますか?
Hさん:大切にしていることは、人に流されないように、かな。私、もともと流されやすい性格だったんです。自分を持つのって重要ですよね。学生時代は、周りに合わせすぎちゃっていた。あ、でも、大事な意見はちゃんと聞いておいたほうがいいと思う。
私:最後に、10代20代の若者に、なにかメッセージはありますか?
Hさん:男に騙されないでね!!!!!
Hさんに一体なにがあったのだろうか……?と、深入りしていいものか迷った。
Hさんは、沈黙する私を前に、笑顔でこう続けてくれた。
「大事なことは、自分が幸せになれることを、自分が一番考えてあげること。私は自分が幸せになれるのが釣り。魚が釣れなかったら、釣りやすい海まで来て釣りをする。場所を変えたっていい!...…なんかこれって、人生みたいじゃないですか?(笑)」
慣れた手つきで竿を揺らしながら、海を見つめて、Hさんが話してくれたこと。
彼女と同世代の私にとっては、どれも心に残るものだった。
特に「自分が幸せになれることを一番に考えたほうがいい」という言葉が印象に残った。
私は、ついつい周りの目を気にしすぎてしまう。もう少しだけわがままになってもいいのかもしれないと感じた。
「もしその場所ででうまくいかなかったなら、場所を変えたっていい。釣りと同じ」。素敵な考え方だなと思った。