2023.11.15
みがく札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や文化などをご紹介していきたいと思います。
お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!
「お昼間は別の仕事をしているの?」これ、私たちがよく聞かれる質問です。
今回はさっぽろ芸妓の一日のスケジュールをご紹介します。
基本的にお昼間はお稽古三昧です。
立方(踊り専門の芸妓)である私が習っているのは
「日本舞踊(若柳流)」「小唄」「お三味線」。こちらは必須科目です。
その他、お茶や鳴物(お笛)のお稽古もさせていただいております。
これに加えて、東京のお師匠さんをお迎えしての「日本舞踊(藤間流)」のお稽古と「長唄」のお稽古がある月もあります。
1日の中でお稽古のかけもちをしたり、日曜日や祝日であってもお稽古が入る場合があります。
こちらは、大好きな「お茶」のお稽古。高校生の頃から続けています。
お稽古が終わったら、各自お昼ご飯を済ませ、すぐにお仕事の準備を始めます。
髪結いさんに行ったり、日本髪でのお仕事がある場合は、白塗りのお仕度をしたりします。
だいたい18時頃から始まる宴会に寄せていただきます。
お仕事が終わって帰宅すると、夜も遅い時間になっていることも…。
そしてまた早起きをし、お稽古に向かう。と、そんな毎日を送っております。
ですので、物理的にお昼間に別のお仕事をするということが不可能なのです。
我々さっぽろ芸妓は、全員「これ一本」でやっていますよ。
最近は、普段のお座敷に加えて、イベント出演や出張、外国のお客様のご接待など
お仕事の幅も広がってきており、とても嬉しく思っています。
こちらは、10月22日(日)に名古屋で開催された「名古屋をどりNEO傾奇者」での写真。向かって左からはな恵姐さん、ふみ代ちゃん、わたし、そしてお笛を担当された地方の小福姐さんです。
「名古屋をどりNEO傾奇者」は、いまから約80年前の戦後直後の1945年から実施されている名古屋のイベントで、ことしも全国の花柳界から芸者衆が集まりました。
他の街のお姐さん方と交流をさせていただきとても貴重な機会となりました。
今後も、少しでも多くの方に札幌の花柳界の存在を知っていただけるよう、頑張って参ります!
~札幌芸妓の”こころ”を英語でひとこと~
There are two leading roles of geiko. The “Tachikata” specializes in dance while the “Jikata” specializes in music. I am a “tachikata”, so I practice Japanese dance, music and tea ceremony every day. After practice, I get ready for the banquet. Doing make up and wearing kimono by my self is taking a quite long time.
***
連載「さっぽろ芸妓日記」
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:ナベ子(Sitakke編集部)