2023.09.28

暮らす

女子高校生は携帯電話を持ったまま、6秒で土砂に飲み込まれてしまった…防ぐ手立てはあるのか

6秒で土砂に飲み込まれた

8月、厚真町で行われたバスツアー。

ガイドの山内香さん・64歳が、「土砂はどれぐらいの時間で山が崩れてきたと思いますか?6秒だったんです」と語りかけます。

ガイド役は、自らも被災し、避難所生活も経験した住民たちです。
あの日、山の土砂は、揺れ始めてから6秒で住宅に到達しました。

「高校生の女の子で被害にあった子がいるんですが、その女の子は携帯電話を持ったまま、もう6秒の間に土砂に飲み込まれてしまった。だから地震っていうのは恐ろしいです」

震災の被害の大きさや教訓を伝えようと、町の観光協会が企画しました。

参加したのは、北見市から修学旅行でやってきた中学3年生。
ツアーに参加して、こう話していました。
「ちょっと怖いですね。自分がちょっとその被害にあったとしたら。6秒で土砂崩れが起きると聞いたので、すごく自然の脅威を感じる話でした」
「高校生とか携帯っていう話題が出てきたりとか、自分が年が近い人たちが出てきていたので、全部自分の身近なものなのであまり遠い話ではないなと感じました」

バスツアー

厚真町を襲った地震は、決して遠い世界の話ではない。
地層の現地調査を続ける川村教授も、そう指摘します。
「北海道は全域の大体40%が薄いところも含めてですけれども、こういう火山性の材料で覆われているということが報告されてます」

「大規模な土砂崩れ」が発生する要因となった火山灰質の地層は、道内のほかの地域にも多くあると考えられています。

しかし「山津波」が起きる頻度は高くなく、事例も多くないため、予測は簡単ではありません。

川村教授は、「地盤災害の歴史を学ぶ。過去に被害が起こったところのは、またもしかすると被害が起こるかもしれない、そういうことをわれわれが認識すべきでないかなというふうに思います」と話していました。

土砂災害を研究する京都大学の竹林准教授は、「土砂災害について大雨への対策は全国的に行われているが、地震への対策はまだ不十分だ」と指摘します。

国は急な傾斜地について、大雨の場合は土砂災害警戒区域に指定し、工事をしたり住民に危険性を知らせたりしていますが、地震による土砂災害のリスクを持つ傾斜地についてはそうした「指定」も、「ハザードマップ」もなく、早急に対策を講じるべきだとしています。

胆振東部地震から5年。道内各地の今や、これからの防災に関する情報は、Sitakkeの特集「秋冬のじぶんごと防災」でお伝えしています。

連載「じぶんごとニュース

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容はHBC「今日ドキッ!」放送時(2023年9月6日)の情報に基づきます

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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