HBCテレビ「今日ドキッ!」から選りすぐりの記事をご紹介します。
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毎年、流行語大賞が発表されるなど、時代によって新しい言葉が生まれます。
しかし、新しい言葉が辞書に追加される度に、様々な事情で辞書から消えていく言葉がありました。
去年、改訂版が出された『三省堂国語辞典第八版』では、「ソーシャルディスタンス」や「ぴえん」などを含む3500語が追加されました。
新しい言葉が辞書に追加される度に辞書から消えていく言葉があり、その言葉だけを集めた辞典が販売されています。
書籍には昭和から平成にかけておよそ80年間の改訂で削除された約1000語の、消えた言葉が掲載されています。
誰もが知っている偉人。なぜ削除されたかというと…
聖徳太子は1930年の百円券から約55年間、紙幣の顔に起用されていました。しかし、一万円札が福沢諭吉にかわり、日常生活で使うお金を指す俗称では無くなった為、2001年に削除にいたりました。
時代の移り変わりによって使われなくなった言葉は他にもあります。
「企業戦士」とは、企業の為に自分を犠牲にして仕事に打ち込む人のこと1970年代、高度経済成長期には「とにかく会社を優先し、家庭やプライベートは二の次にして、がむしゃらに働く事が美徳」とされていました。そのため、連日残業というのも、当たり前なサラリーマンが多かったのです。
その後、バブル経済の崩壊や働き方改革により、現代では見直されたことで2022年版では削除されました。
ガラケーが生活必需品となった2000年代前半。
携帯電話を向かい合わせにしてアドレス交換や写真を送る「赤外線通信」やっていましたよね?QRコードやSNS、Bluetoothなど技術が発達し、ガラケーによる赤外線通信は衰退していきました。
デジタル録音・再生の為の直径6.4センチのディスク「MD」。1992年頃から使われ始めましたが、2020年には、MDレコーダーの生産が終了。知らない世代も増えてきたため、今回、辞書から削除する結果となりました。
定額で音楽が聴けるサブスクを始めとした音楽のデジタル化が進む中でも、辞書に残り続けているのが「レコード」。
なぜ「レコード」は残っているのでしょうか…
編集を担当した、三省堂・辞書出版部の方に話を聞いてみると…
流通していた期間が長く、再ブームが来てプレイヤーを持つ人やレコードを集める人が増えているのだそう。
今年3月には札幌駅にレコード専門店が出店し、デジタル世代には「音楽を形で残す」ことが新鮮で、若者中心に再ブームが到来しています!
さらに「レコード」が辞書に残る理由は他にも…
下駄箱に下駄を入れなくても下駄箱、つり革に革が使われていなくてもつり革…と言うように、物そのものを見なくなっても関連する言語が使われていると辞書に残すそうです。
さらに、「日本レコード大賞」や「レコード会社」という言葉は未だに使われているので、「レコード」は辞書から消えることはないのです。
1990年代に顔を黒く焼き、派手なファッションをする女子高校生、コギャルが流行。
一時の文化の流行語だったとして最新版の辞書では削除されています。
しかし、令和になって再ブームが!
平成で流行したギャル雑誌「egg」を運営する会社が、今年4月に新メディア「KOGYARU」を立ち上げました。
モデルをしているのは…?
なんと、全員小学生!
平成の高校生から随分と若くなりました。
令和のコギャルはSNSを使いこなして動画を発信!
SNSは親御さんが管理し、普段はメイクをせずに小学校に通っています。
「サンドイッチマン」の文字を見て、あなたはお笑い芸人を思いかべましたか?
それは、「サンドウィッチマン」!ウに小さいイです!
サンドイッチマンとは、広告板を体の前後に下げて持って歩く人の事。
昭和時代の屋台の宣伝や呼び込みの定番でした。
いま当たり前のように使っている言葉が、数十年後には消えてしまうのかもしれません。
※掲載の内容は番組放送時(2023年7月5日)の情報に基づきます。