2023.07.21
暮らすインターネットは便利なばかりではありません。
パソコンにスマートフォン、今や年代を問わず誰もが利用する「インターネット」。
しかし、マチで話を聞いてみると…、
60代女性
「夫に『頼んでいないのに荷物届いている』というのがよく入っていたみたい。誰に助けを求めたらいいのかなと思って」
70代男性
「この間、『ハッカーにやられましたよ』とメッセージがきた。『カードをコンビニ行って買ってください』と言われて、4万と6万と8万払えと」
思わぬトラブルの落とし穴が見えてきました。
そのターゲットになっているのは、ずばり高齢者です。
ITジャーナリストの三上洋さんは「インターネットにはトラブル・悪意というものが、たくさんあるんだということを肝に銘じていただきたい」と、警鐘を鳴らします。
自分はもちろん、家族や知人も、巻き込まれないように知っておきたい「中高年のインターネットトラブル」の実態を調査しました。
連載「じぶんごとニュース」
6月に発表された「消費者白書」によりますと、SNSに関連した消費者トラブルの相談件数は20代が、この3年間ほぼ横ばいなのに対し、50代以上で大きく増えています。
ITジャーナリストの三上洋さんは、この理由について…
「SNSの利用者はこれまで若年層だったが、最近、フェイスブックなどのSNSを使う中高年層も増えてきた。この人たちが、SNSの偽広告などに騙されて偽物をつかまされるなどといった消費者トラブルが多発している」と話します。
中でもSNSを利用中に表示される広告から、 「定期購入」 のトラブルに巻き込まれるケースが多いといいます。
特に目立つのは、「体が元気になる」「目が良くなる」といった偽の健康食品での問題行為。
多くの場合、1回目が極端に安い一方で、何か月か連続して買わなければいけない契約になっています。
去年6月に「詐欺的な定期購入商法」に関して法律が改正され、「定期購入であること」をわかりやすく表示していない場合は、解約ができるなどの対策が取られましたが、トラブルは後を絶たないといいます。
札幌市消費者センターは、悪質商法の被害を防ぐため、中高年の市民を対象にした講座を開きました。
講師を務めた鈴木賢治弁護士は、インターネットでのトラブルについて、 予防が大切 と強調します。
「SNS上でのやり取りでは、実態のない会社をかたり、実際には実在しない住所だったり、 そもそも相手を特定することができない ケースがある。そうすると、法的な手段をとる、裁判をするということもできない。一度お金を払ってしまうと、取り返すことは難しい」と実態を話してくれました。
一方で、中高年にはトラブルに関して、 人に相談しにくい心理 があるといいます。
鈴木賢治弁護士は、「ある程度の年齢になられると、自分がそういうものにトラブルに巻き込まれていることに対して恥に感じてしまう方もいるんじゃないかなと思うが、勇気を持って、人に相談するのが大事」と話していました。
何かおかしいな、困ったなと思った時には、警察や消費生活センターに電話で相談してください。
警察相談専用電話は#9110、消費者ホットラインは188 です。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年7月13日)の情報に基づきます。
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連載「じぶんごとニュース」