HBCテレビ「今日ドキッ!」から、選りすぐりの情報をお届けします。
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新しいお店が次から次へとオープンする一方、長く続いているお店があります。
北海道で50年以上続くお店にスポットをあて、愛されている理由を探るコーナー「ザ・ロングセラー愛されるにはワケがある」
今回は、札幌ラーメンの元祖ともいえる老舗です。
透明感のあるスープに、自家製のちぢれ麺。
“ラーメンの原点”、そう思わせる一杯を作り続けて、今年で76年が経ちました。
住所:札幌市中央区南3東1 二条市場内
電話:011-251-8224
営業時間:午前10時~午後2時 ※麺・スープがなくなり次第終了
定休日:木曜
「二条市場」の一角に店を構え4代にわたって、昔ながらの味を守る「だるま軒」。
札幌にあるラーメン店では一番の歴史を持つ老舗です。
“昭和”の面影が随所に残る店内。
瀬戸物の箸立てや今でも現役のダイヤル式黒電話もあります。
そんなレトロな店内でいただく、だるま軒のロングセラーが…
だるま軒の定番。
トッピングは、特徴的な伊達巻やメンマ、チャーシュー、など5種類。
スープは豚骨や鶏ガラ、昆布などからとったダシに、醬油ダレを合わせた昔ながらのあっさりとした味わいで飲み干す人も多いそうです。
シンプルなスープだから、麺が違えば全然スープの味も違う。
11時から1時までの一番お客さんが来る2時間だけでも麺はピークに持ってこれる状態を目指していると店主の加納さんは言います。
だるま軒の味を決めるのが、“自家製麺”。
店の地下に、常連客が“聖地”と呼ぶ、作業場があります。
創業間もないころから使い続けている70年モノの“木製の製麺機”。
いまでこそ“自家製麺”を使うラーメン店はいくつもありますが、札幌でその走りとなったのが実は“だるま軒”です。
半世紀以上たった今でも当時と同じ作り方、昔ながらのシンプルな素材を使い、だるま軒の味を守っています。
「よくもってくれている。この機械が動かなくなったら店を辞めようと思っている。と言います。
19歳の頃にアルバイトとして働き始めた加納さん。
18年が経ったころ、突然病に倒れた先代の大森さんに変わって、だるま軒を引き継ぎました。
「『本当においしいっていう麺は年に何回もできない。』と先代の店主が言うけど、ホントそうだなと思う。」と言います。
1947年、昭和22年に屋台から始まった、だるま軒。
創業から2年後に、現在と同じ二条市場に店を構えます。
当時のメニューはしょう油ラーメンだけでした。
戦後間もない市民を少しでも元気づけようと、具材に縁起物の“伊達巻”を使い、店は大繁盛!
以来70年以上の間、市場で働く人をはじめ、地元民に愛されてきました。
長い歴史の中でたくさんの人の“思い”が詰まっている「だるま軒」。
厨房の裏に、加納さんが大切にしている場所があります。
飾られているのは亡くなったお客さん達の写真。
「藤田さんという方がいなかったら、定番セットはできていない。」
“常連さんから生まれたメニュー”というのが…
ラーメンと小鉢にいれたカレーが楽しめる「定番セット」。
素朴な味わいで人気のカレーは、ラーメンスープを使っているのがポイントです。
先代の頃から変わらないメニューを、頑固に守ってきた加納さん。
元々なかった定番セットを提供し始めたきっかけがありました…
それは、今から13年前のこと。
前は週に1回くらい必ず見たお客さんが久しぶりに来店。
注文を聞くと「ラーメンひとつと、カレーも食べたい。ほんとちょっとでいいんだ。」と言いました。
当時は1人前のカレーしかメニューになかった、だるま軒。
“少しだけ食べたい”という訳を聞くと…
大病を患い長くはない。たくさん食べられないのでラーメンと少しだけカレーを食べたい。
それを聞いた店主の妻ゆかりさんは、量を少なめにしたカレーをサービスで提供。
満足そうな表情を浮かべ、こんな言葉が…
「一人前じゃ多い、けどちょっと食べたいという人が絶対いるから、セットにしてみたら?」
いざお店で出してみると、たくさんの注文が。
藤田さんからのプレゼントだと思っているといいます。
麺やスープを変えないようにしてること。
60年も通ってきてくれる常連客の昔の思い出。
お店が無くなれば、いままでの思い出も無くなってしまう。
思い出も無くさないように…
創業80周年を目指し、ラーメンを作り続けます。
※掲載の内容は番組放送時(2023年6月22日)の情報に基づきます。