毎日がんばる“わたし自身”を、いたわってあげませんか?

ココロとカラダをセルフケアするためのTipsを、簡単な運動と共にゆるっとご紹介。北海道内を中心に、25年以上に渡って「女性の健康と運動」を研究・サポートしてきた、寅嶋先生にご提案いただきます。

連載「ココロ伸ばし、カラダ伸ばしの、ワン、ツー、スリー!」

こんばんは、とらしまです。前回に引き続き、今回も、40代の妊娠・出産と運動についてです。
不妊治療への科学的アプローチもすすみ、40代で出産する女性は増えてきました。この年代の出産は、体力の消耗だけではなく、出産までの身体の痛みやだるさも感じやすいのが特徴です。この一因が、更年期と被るから……です。

その点で忘れられないのが、札幌で出会った47歳初産のママさんです。いろいろな不具合が一気に襲ってくる時期に、どうやってこの方は不調を乗り切り出産にのぞんだのか? インタビューしてみました。

妊娠前半期は……
とにかくありとあらゆるサービスに頼りました。宅配サービスも利用し、できるだけ体に負担をかけないように心がけました。

妊娠期中盤期は……
「少しずつ体を動かしていいですよ。というより動いてください、順調なので」と医者にすすめられ、ウォーキングやストレッチングを決まった時間に毎日実践。でも、たくさん行うと続かなくなるので(笑)、20分くらいですべて終えるようにしました。それがよかったですね。風邪を引きやすい体質で、更年期に入りだるくなりやすくもなっていたので、妊娠中でもOKな漢方や薬膳等も、生活に取り入れました。

妊娠後半期は……
呼吸法を積極的に取り入れました。寝る前に少し汗ばむくらい、出産をイメージして呼吸をたくさんしました。夜にお腹を蹴ってくる子だったので、眠りにつくまでが一苦労の時もありましたが(笑)、深い呼吸をすることで身体もあたたまり、新陳代謝が促され、すっきりと眠れました。
ストレッチングは、股関節のストレッチングを中心に。リンパを伸ばし、腰痛を防ぎました。

出産後は……
寝不足、軽いけれど腰痛、授乳で腱鞘炎モード……とさすがに不調が相次ぎました。そこで、不調解消エクササイズを積極的に取り入れました。1カ月半で劇的に回復することができましたね。

40代後半での初産だと、そもそも同じ境遇を経験した人が少ないものです。
医師や助産師などの相談相手となる人も多くは年下で、なかなか自分の状況を想像してもらうのが難しいという現実もあります。ともすれば孤独を感じてしまう状況で、このママさんはどんどん自分で情報を集め、きちんと判断し、いろいろ実践なさっていました。本当にすごい方でした。

なお、この方は妊娠期間中、家事代行サービスを多用していました。40代は人生経験豊富な分、ともすればプライドが高くなりがち。「全部自分で……!」と頑固になってしまう方も中にはいますが、40代の妊娠・出産においては、パートナーや周囲、または各種サービスに頼るなど、自分を助ける環境を用意することが、とっても重要です。

40代だからこそ、オトナの余裕で周りにうまく甘え、またご自身の状態に合う対策を取り入れながら、自分の身体も赤ちゃんも大切にして過ごしてほしいなと思います。

今日の“カラダ伸ばし”

今回ご紹介した方が実際に行っていた、妊娠中にできるストレッチングをご紹介します。腰も少し伸びるので腰痛予防にもなります。伸ばすのが一苦労ではありますが、終わった後はスッキリ、の、妊娠初期からできるストレッチングです。

①片方の足を身体に引き寄せ、もう片方は伸ばします。股関節を伸ばすように、少し横へ大きく広げる意識で。
②この姿勢で3秒間、息を深く、ふーっと吐きながら丁寧に体を倒して伸びます。伸びている足の方に向かって倒れたくなりますが、あくまで股関節周辺の筋肉を伸ばす意識で、正面へ倒れましょう。余裕があれば、伸ばす時間を5~7秒へ増やしましょう。反対側も同じように行います。

こころもカラダも、ゆったり、ワン・ツー・スリー!
明日も、みなさんが元気な1日を過ごせますように。

***

■プロフィール:寅嶋静香(とらしましずか)
京都工芸繊維大学研究員。
2001年東京大学大学院 生命環境科学系身体運動科学講座終了 PH.,D(専門:運動・スポーツ生理学)
女性と運動の関係を研究するかたわら、「産後こそ、母になったご自身を大切に……」を合言葉に、科学的なエビデンスに基づく、安全・安心を担保しながらの産後の母親支援(健康サポート)を北海道内で12年間実施。このほか、更年期女性へのケア講座なども道内各地で実施。主な著書に「バウンス運動の生理学的基礎~バランスボールで弾む運動の科学的分析~」(ブックハウスHD、2022年8月)

Edit:ナベ子(Sitakke編集部)

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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