2023.05.19

みがく

妊娠中、自分も周りもハッピーに過ごすコツ|簡単ストレッチ講座付きコラム 【ココロとカラダ #vol.10】

毎日がんばる“わたし自身”を、いたわってあげませんか?

ココロとカラダをセルフケアするためのTipsを、簡単な運動と共にゆるっとご紹介。北海道内を中心に、25年以上に渡って「女性の健康と運動」を研究・サポートしてきた、寅嶋先生にご提案いただきます。

連載「ココロ伸ばし、カラダ伸ばしの、ワン、ツー、スリー!」

こんばんは、とらしまです。
妊娠を期に、周囲にいる方々との関係性がすこーしずつ変化したりすること………妊娠中の方、妊娠経験のある方には、「わかるわかる!」な、あるあるな悩みだと思います。大切な守るべき「いのち」が存在しますので、それは周囲も気遣いをするようになります。特に、出産、子育て経験者である父母からは気遣いの嵐が……というお話、たくさん伺ってきました。同時に「ありがたいけれど、それ自体がストレスに……」というお話も、たくさん耳にしました。

今回は、私がこれまで出会ってきた妊婦さんや産後のママさんの中から、お二人のママさんの事例をご紹介します。

30歳、Aさんの場合

妊娠したとたんに、「重たいの、持つから!」「静かに!安静に!」と言われっぱなしに。活発なAさんの性格を踏まえての忠告だったようですが、「少しは歩いたりして体力つけないと」という気持ちをないがしろにするようなメッセージを、夫、実の両親、義理の両親、職場の人などみんなから浴びた結果、「うるさーい!」と、ストレスMAXになってしまったそう。

27歳、Bさんの場合

大量のベビー服、バスタオル、紙おむつにはじまり、赤ちゃん用の洋服ダンス、ベッド、移動いす、抱っこひも、おむつ替え用敷きパッド、消毒綿、シャンプーにボディーソープ、離乳食瓶、絵本等々……ありとあらゆるものをプレゼントされたそう。大きく節約はできたものの、家がいきなり狭くなっちゃって……という事態に。

気遣いやプレゼントはありがたいですが、「言われっぱなし」「受け取りっぱなし」になってしまうとしんどいもの。自分の意思や意向と合わなくても、親切心からなだけに文句も言えない……というジレンマもあります。
さて、このお二人、自分も周りも穏やかに過ごすために、どうしたかというと……

30歳、Aさんの対処法

「妊娠中はこうしている方が、気分がいいのです!」宣言をしたそう。そして、「マタニティヨガやウォーキングで気分よく過ごせています!」という写真をみなさんに送り、「運動は、妊娠中の身体にも心にもいいのよ!みんなもやってみて!」と、逆に周りに運動を推奨したそう。

27歳、Bさんの対処法

出産後の身体の自由がきかない時期には、ありがたくプレゼントを使わせてもらったそう。そして仕事復帰を機に、感謝の気持ちを前面に出しつつも、「体力つけないと。なので今後は自分で買い物します!」と伝えたそうです。実際に自転車こぎもして、体力回復に努めたとのことです。

いろいろな事例をお聞きしてきた中で感じた「気持ちをおだやかな状態で維持しつつ、周囲との⼈間関係をゆるやかにうまーく保つ秘訣」が2つあります。

一つは、「妊娠中のライフスタイルを、こんな風に維持したい」という気持ちを、ご自身がまず大事にすること。

もう一つは、嫌なことを無理に受容しようと思わないことです。心身ともに急激な変化が起き、一番負担がかかっているのは自分自身。周りへの思いやりはもちろん大事ですが、振り回されたり、無理したりしないようにすることが、赤ちゃんのためにも大切なことです。というわけで、お二人の、さわやかかつ毅然とした対処法、ちょっと参考になさってみてはいかがでしょうか?

今日の“カラダ伸ばし”

さて、妊娠中のストレス解消、マタニティブルーの回避のためにお勧めしたいのが、適度な運動です。血行を促し、脳へ酸素を送ってくれるヨガストレッチングは、モヤモヤ思考をすっきりさせてくれます(野田ら,2019 ※1)。

ということで、おだやかな呼吸を伴うこんなストレッチングはいかがでしょう。お腹が前にせり出して背中や肩、腰が凝りやすくなる妊娠中におすすめの、とっても簡単にできるストレッチングです。

図のような姿勢を保ち、3〜5秒間、集中して伸びます。脇の下のリンパ管をぐーっと伸ばすことで老廃物を除去しつつ、身体の安定を保ちましょう。終わったら静かに脱力を。
両手のひらを合わせるのがポイントですが、臨月に入ると手のひら同士を合わせるのがきつくなります。そんな時は、ただバンザイして、脇の下を軽く伸ばして。緩やかな心を保つには、緩やかエクササイズがおすすめ。お腹に無理のないように、頑張らずに行いうましょう。

こころもカラダも、ゆったり、ワン・ツー・スリー!
明日も、みなさんが元気な1日を過ごせますように。

***

※1 野田みやこ、ほか.(2019).「助産師の介入が妊産褥婦の心身に及ぼす影響 : マタニティ・ヨーガの効果を中心に」.岐阜保健大学紀要.(1); 83-91.

■プロフィール:寅嶋静香(とらしましずか)
京都工芸繊維大学研究員。2001年東京大学大学院 生命環境科学系身体運動科学講座終了 PH.,D(専門:運動・スポーツ生理学)
女性と運動の関係を研究するかたわら、「産後こそ、母になったご自身を大切に……」を合言葉に、科学的なエビデンスに基づく、安全・安心を担保しながらの産後の母親支援(健康サポート)を北海道内で12年間実施。このほか、更年期女性へのケア講座なども道内各地で実施。主な著書に「バウンス運動の生理学的基礎~バランスボールで弾む運動の科学的分析~」(ブックハウスHD、2022年8月)

Edit:ナベ子(Sitakke編集部)

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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