妊活と、パートナーとのいい関係｜簡単ストレッチ講座付きコラム 【ココロとカラダ #vol.6】

毎日がんばる“わたし自身”を、いたわってあげませんか？ココロとカラダをセルフケアするためのTipsを、簡単な運動と共にゆるっとご紹介。北海道内を中心に、25年以上に渡って「女性の健康と運動」を研究・サポートしてきた、寅嶋先生にご提案いただきます。

連載「ココロ伸ばし、カラダ伸ばしの、ワン、ツー、スリー！」

こんにちは、とらしまです。前回に引き続き、「妊活」の第２弾です。
いきなりですが、「妊活」っていい言葉ですよね。産後ケア講座に参加した方からも、「子どもをつくろうとしてます、とダイレクトには言いづらいから、妊活って言葉は便利だった！」なんてお話を聞いたりします。
また、「妊活」という表現は、「妊娠は女性だけの問題ではありませんよ、パートナーだって関係ありますよ」という意味合いを優しく伝えている気もしています。

産後ケア講座では、講座の終わりにアンケートをとったり、参加者の皆さんで雑談する時間を作ったりしてきました。それを続けて十数年たちましたが、ずっと変わらず多く耳にしてきたのは、パートナーとの気持ちのギャップや、関係についてのイライラ、モヤモヤでした。例えば、こんなお声がありました。

「パートナーとの関係性がめちゃくちゃに崩れてしまって。授かったけど、妊活、実は大変でした」
「不妊治療中はパートナーとギスギスして、息が詰まって……。もう疲れた、とやめたとたんに妊娠・出産とドタバタ劇に！」

妊活は結局「パートナーとのやりとり」が最も大切な時期かもしれません。
では、良い関係性を保っていくには、どうすればいいのか？というと、私のおすすめは「一緒に身体を動かし、楽しく会話すること」です。一緒に体を動かす時って、声掛けし合わないとできないので、自然に会話が生まれるという効果が。また、適度な心地よい運動をすると、β-エンドルフィンというポジティブ感情を引き出すホルモンが分泌されるといわれています（Hiramoto, etal., 2013　※1）。

以前、北海道のとある企業さんと合同で「パートナー講座」を実施しました。内容は、夫婦で一緒にペアストレッチ→バランスボール運動→クールダウンマッサージ＋足ぶらぶら体操をする、というもの。その講座では、どのペアさんも、終始笑顔で過ごされていたのが印象的でした。
私の知人の産科の医師も、「ストレスをためずに、互いに心地よい状態でいることが大事よね」と言っていました。互いを労い、思いやりながら、腰～背中～肩まわりのペアストレッチをしてみませんか？ あくまで講座で出会ってきた女性たちをみていての印象ですが、どさんこ女子はとても積極的なタイプが多いなと感じています。ぜひ、照れずに、女性の方からぜひ「一緒にストレッチやろう～♪」と声がけしてみてください。

今日の“カラダ伸ばし”

パートナー講座で行ったペアストレッチを紹介します。ゆったりとした呼吸で血行を促す、心地よい運動です。妊娠中でも行えます。うまくできなくても、焦らず怒らず、笑い合いながらチャレンジしてみましょう。

①背中合わせで床に座ります。膝を立て、両腕を上まで上げて手をつなぎます。腕の長さが違う場合は手首を持ってもOKです
②少し背伸びをする意識で、真上へ3～5秒間伸びます。この時一緒に「1、2、3…………」と声に出して数えて。終わったら腕を下ろします。これを２、3回、くり返します

※1　Hiramoto K, Kobayashi H, Sekiyama A, F Sato E, Tsuruta D and Ishii M. (2013). Mild exercise suppresses exacerbation of dermatitis by increasing cleavage of theβ-endorphin from proopiomelanocortin in NC/Nga mice. Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition (52) : 58-63.

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こころもカラダも、ゆったり、ワン・ツー・スリー！
明日も、みなさんが元気な1日を過ごせますように。

■プロフィール：寅嶋静香（とらしましずか）
京都工芸繊維大学研究員。2001年東京大学大学院 生命環境科学系身体運動科学講座終了 PH.,D(専門：運動・スポーツ生理学)
女性と運動の関係を研究するかたわら、「産後こそ、母になったご自身を大切に……」を合言葉に、科学的なエビデンスに基づく、安全・安心を担保しながらの産後の母親支援（健康サポート）を北海道内で12年間実施。このほか、更年期女性へのケア講座なども道内各地で実施。主な著書に「バウンス運動の生理学的基礎～バランスボールで弾む運動の科学的分析～」（ブックハウスHD、2022年8月）

Edit：ナベ子（Sitakke編集部）