札幌に住む在間弘(ありま・ひろむ)さん。
大正14年1月19日生まれ。今月19日、98歳の誕生日を迎えました。
「取材を受けているから、忘れられない日になった。朝から緊張していました」
94歳の妻・幸子さんは、「おすしでも頼もうかと話していた」と教えてくれました。
夫婦で送る、健康で穏やかな毎日。
その源は…?
競技歴は、驚異の86年!
在間さんは日本国内で最高齢のバスケットボールプレーヤーなんです。
所属するのはシニアチームの「札幌ロートルズ」。
平均年齢は73歳。
およそ50人がともに汗を流しています。
チームの最年少・62歳のプレーヤーも、在間さんは「スーパーマンじゃないですか?」と話します。
70歳のチームメイトは、「いろんな年代の人が楽しんでバスケットボールをやれることはすばらしいなと思います」と話していました。
在間さんに加え、89歳、88歳、86歳のプレーヤーと、パス練習。
4人合計で360歳オーバーの、華麗すぎるパス回し!
それぞれが笑顔で無理なく、大好きなバスケを楽しんでいます。
在間さんは、「今は練習を見ている方が長い。それでもこうやってみんなと週に一回会って元気な姿を見ると元気がもらえる」と話します。
バスケ人生の始まりは12歳。
その数年後には戦時下となり、バスケットボールは敵国のスポーツとして、さまざまな規制が敷かれますが、在間さんの情熱が消えることはありませんでした。
「バスケットはやっぱり僕にとって、生きがいだったんだね、いうなれば」
戦後、教員となり指導者としてバスケに没頭。
当時の姿を捉えた貴重な映像がHBCに残されていました。
1959年、フィリピンのチームを札幌に招いた国際親善試合。
在間さん、この一戦にはレフリーとしてコートに立っていました。
当時34歳。今から64年も前の出来事です。
自宅には教え子や仲間から送られた思い出もびっしり。
大正から令和まで、バスケとともに駆け抜ける98歳。
まだまだ終わる気はありません。
「まさかこんなに長く生きられると思っていませんでしたから。私の体の続く限りね。皆さんの顔を見るだけでも、続けたいなと思っています」
鮭ひと切れを半分ずつ、妻の幸子さんとふたりで食べます。
在間さんにとって、幸子さんの料理と少しの晩酌が、毎日の楽しみです。
「小学校6年生でバスケットを始めてここまで続けられたことは、僕の人生にとってかけがえのないもの」
年齢性別は関係なく、誰でも夢中になれることが、スポーツの持つ大きなチカラ。
そこから生まれる、人と人とのつながりこそ、このマチの明るいミライを照らしています。
「とにかく『100歳をめざせ』と皆、言ってくれるものだから、100歳まで、こうやってチームに顔を出せれば何よりだなと思う」
***
在間さんは、道内の民放5局が、それぞれ様々な角度からスポーツの持つ「チカラ」の可能性を探る企画「スポーツのチカラ×まちのミライ」で取材しました。
後編の記事では、92歳の現役スイマーをご紹介します。
⇒【92歳のスイマー!55歳で始めて世界記録更新、日本記録を続々樹立…そのきっかけとは?】
文:HBCスポーツ部
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は放送時(2023年1月19日)の情報に基づきます。
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