新しい年になりました。気持ちも新たに、何かに挑戦したくなりますね。
この羊毛フェルトの楽しみ方をご提案する記事も3回目。以前ご紹介した シマエナガ はうまく作ることができたでしょうか?
今回はシマエナガで覚えたことの応用編。スーパーポンポンメーカー35mmと45mmを2つ組み合わせて作る、北海道3大かわいい動物でも人気のエゾリスの作り方を札幌在住・羊毛フェルト作家の筆者がご紹介します。
第1回 でご紹介したCloverの『ポンポンメーカー』には35mmと45mmのセットですが、シマエナガを作るときに使用したのは35mmのみでした。今回は両方使って形を作っていきます。
フェルティングマット(100円ショップ)、手芸用ハサミ、ニードル、長めの縫い針(刺繍用など)、スーパーポンポンメーカー35mm、45mm
羊毛(ハマナカ ニードルわたわた染色ブラウン、ハマナカ ニードルわたわた染色ホワイト)、毛糸(羊毛100%が望ましい)、シート状フェルト(茶系)、目ボタン(5~6mm)、木綿糸、手芸用接着剤
スーパーポンポンメーカーに巻く羊毛の分量を計ります。方法は 【第1回】シマエナガを作るの準備を参考にしてください。
35mmには約1グラムのブラウンの羊毛、45mmには約1グラムのホワイトの羊毛と約2グラムのブラウンの羊毛を用意します。
写真では45mm左右の巻き量がわかるように、ホワイト1グラム+ブラウン0.5グラムとブラウン1.5グラムに分けています。
その他、手足や耳、尻尾に使う分のブラウンの羊毛を少し用意します。シート状のフェルトは、写真右上のように耳、手、足を2つずつと鼻を1つ切っておきます。
35mmのポンポンメーカーに、ブラウンの羊毛を巻き付けてエゾリスの頭を作ります。
【第1回】シマエナガを作るの手順を参考に巻いてください。
今回は結んだ木綿糸は切らずに残します。
エゾリスはお腹が白いので、45mmのポンポンメーカーにホワイトとブラウンの羊毛を巻き付け、体を作ります。
先にホワイトの羊毛1グラム全部をポンポンメーカーのメモリ4つの位置まで往復して巻ききります。
続いて、ブラウン0.5グラムを残りの部分に巻き付けて片側のアームを閉じます。
もう片側にブラウン1.5グラムを巻き付けてアームを閉じます。
こちらも結んだ木綿糸は長いままにしておきましょう。
(1)頭と体を合体させる
縫い針に木綿糸を一本取りし玉結びします。45mmのポンポンの糸が出ているところに針を刺し入れます。ポンポンを結んだ糸に玉結びが引っ掛かるようにしましょう。糸にあたるとコツンという感覚があります。羊毛だけのところに刺してしまうと、玉結びしたところがすり抜けてしまうので注意してください。
切らずに長いままにしてあった木綿糸は、結んである位置の印なのでここで切ります。
続けて35mmのポンポンの糸が出ているところに針を刺し入れ上に引き抜きます。
しっかりと付けたいので、今度は頭からお尻に向かって針を抜き強めに引っ張ります。
強めに引っ張ったまま、針に3回糸をかけて結び玉を作ります。
念の為、針を首まで戻して糸を切ります。ここでポンポンに付けておいた糸も切りましょう。
(2)形を整える
エゾリスの頭は正面から見ると台形型になるように、横側に傾斜を付けてカットします。
体はサイドを少し細めにし、毛並みをそろえます。
(1)目鼻を付ける
切り出したフェルトのパーツと目ボタン、ブラウンの羊毛を用意します。
目を付けたい場所をニードルで凹ませます。
目ボタンと鼻を配置して、場所が決まったら接着します。
(2)手を付ける
写真のように手のパーツを置きます。
ブラウンの羊毛を少量取り1cmくらいの幅に折りたたみます。
たたんだ羊毛を手のパーツの上に置き、包むようにニードルで刺し固めます。
手が付きました。
(3)足を付ける
手と同様に羊毛を少量取り折りたたんだら、さらに両サイドをたたみ三角形のような形にします。
その形のまま写真のように置き、ニードルで刺し固めます。
正面から見ると、お腹の白い部分がひし形に見えるようにします。このあと足のパーツを付けてエゾリスを立たせるので、底は平らにしましょう。
足のパーツの半分に接着剤を付け、つま先が出るように接着します。
足が付きました。
(4)耳を付ける
フェルトだけでもかわいいのですが、エゾリスの可愛らしさはやはり冬の耳毛。ふわふわと長い耳毛を付けましょう!
パーツの下1/3を残して、ブラウンの羊毛を両面に付けます。
2つともニードルで付けます。
目の後方に向かってニードルで毛並みをかき分けて、耳のカーブが後ろになるように配置したら、根本をニードルで刺し付けます。
念の為、根本に接着剤を少量入れておきます。
耳が付きました! かわいい〜。
あとは尻尾だけです。完成までもう少し!
実は今回、尻尾をどのようなものにするか悩みました。作り方は1つではありません。羊毛の手法には正解はない というのが筆者の考えです。迷ったときは「かわいい」と感じるものを選ぶことにしています。
少しだけ難しいかもしれませんが、初心者の方でもできる作り方をご紹介しますね。チャレンジしてみましょう!
(1)毛糸を巻く
今回は生成り色の毛糸を用意しましたが、お好きな色で構いません。カラフルな尻尾にしてもかわいいです。できれば羊毛100%で撚りが甘いものが作りやすいですよ。
指3本に毛糸を20回(並太の場合)巻き付け切ります。
(2)束ねる
フェルティングマットの上に約6センチ幅に置き、真ん中に細長くした羊毛を乗せ、ニードルで刺します。
裏にも同じようにして、毛糸がバラバラにならないようにしっかりと刺します。
サイドも刺しましょう。
(3)ループを切る
輪になっている部分をハサミで切ります。
(4)尻尾を形作る
羊毛を付けたところから半分にたたみます。
さらに羊毛部分を刺し、バラバラにならないようにします。
写真のようにUの字にして羊毛部分を刺し固めます。
Uの字になっている部分が尻尾の付け根になるので、その部分の毛糸を少なめにして尻尾の形にカットします。
ニードルから縫い針に持ち替え、毛糸の撚りを解きます。クシやペット用のブラシなどでとかしても良いです。
尻尾ができました。
尻尾は外側に反るように配置し、付け根をよくニードルで刺します。
完成です!
長くなってしまいましたが、ポンポンを2つ使うことにより、色々な動物を作ることができます。エゾモモンガやエゾタヌキ、今年の干支のウサギも可愛いですよ。
前回 紹介したお家も、筒状に作り替えるだけで色んなお家ができます。
今年は、趣味の一つに羊毛フェルトを加えてみるのはいかがでしょうか?
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文:すぎたまり(羊毛フェルト作家・講師)
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【ライター:すぎたまり PROFILE】
札幌市在住。20年前、池田町で羊と出会う。
羊毛フェルトは、羊毛で大小のポンポンを作り、それをつなげてペットのモモンガを作ったのが始まり。自由自在に変化する羊毛がただただ面白く、遊んでもらったり、格闘したり。「羊毛のあたたかみと可能性を伝えたい!」「日常にもっと羊毛を!」といつも考えている人。