2022.12.09

みがく

お家時間が増える冬に、羊毛フェルトはじめてみない?【第1回:シマエナガを作る】

ふわふわであたたかい、羊の毛で作る“羊毛フェルト”。

一度はチャレンジしてみたけれど 「うまくまとまらなかった」「思っていたのと違う物ができた」などなど苦戦した経験のある方も多いのでは?

お家時間が長くなる冬。心もポカポカ温まる作って、遊べて、インテリアにもなる羊毛フェルト作品の作り方を全3回で、札幌在住・羊毛フェルト作家の筆者がご紹介します。

第1回目の今日はシマエナガを、第2回目はそのシマエナガが入れるツリー型のお家を作ります。第3回目は応用編です。お楽しみに!

100円ショップで手に入るものも!まずは基本の道具を揃えましょう

筆者が思うに、やはり 道具選びは大事です。
これから「始めてみようかな?」と思っている方のために、まずは基本の道具を紹介します。

【ニードル】

羊毛を刺し固める専用の針“ニードル”は、羊毛の種類で太さを見極めます。作るものによってニードルは替えましょう。羊の種類は3,000種類ほど! みんな個性があるのです。
うまくまとまらない理由はニードルの太さにあることも。今回は、市販されている羊毛に大体使えるレギュラー針を使います。

【フェルティングマット】

フェルティングマットは、羊毛を形作るときに、机の保護やニードルの折れを防ぐ目的で使用します。厚みがあり耐久性のあるものがおすすめですが、小作品の場合は薄いものや、小さいものの方が使いやすいです。今回は、100円ショップでも手に入る薄いものを使います。

【ハサミ】

よく切れる手芸用のハサミを用意しましょう。刃の先が尖っているものが良いです。

【接着剤】

接着剤は手芸用を準備しましょう。口が細いものが使いやすいですよ。100円ショップのでも大丈夫です。

【その他】

秤、ものさし、メジャー、目打ちもあると便利です。

シマエナガを羊毛フェルトで作ってみましょう

第1回の今回は、北海道3大かわいい動物でも人気のシマエナガを作ります。羊毛フェルト=ひたすらチクチクというイメージがあると思いますが、筆者が考える初心者向け羊毛フェルトは、ラクしてかわいいです。

「思っていたのと違うものができた」の理由の一つは「どこまで刺し固めたら良いかわからないから」ではないでしょうか。

そこで今回使うのはスーパーポンポンメーカーです。こちらで羊毛を巻くと、ふわっふわでもっふもふの毛玉を簡単に作ることができます。

筆者のおすすめはCloverの『スーパーポンポンメーカー』。裏面には毛糸を巻く方法が記載されている。

羊毛もほぼ一緒ですが、キッチリと巻き付けて、糸でしっかりと結ぶことがポイントです。

シマエナガを作るのに必要な材料

ニードル、マット、羊毛 (ニードルわたわた 染色ホワイト、メリノ黒、ピンク)、 シート状フェルト(白・黒) 、さし目4mm(2つ)、ハサミ、ものさし、接着剤、木綿糸、ポンポンメーカー35mm

準備

シマエナガのベースとなる羊毛『ニードルわたわた染色ホワイト』は広げるとシート状になっています。
短い辺のほうを1cm幅で細長く切り裂くと、大体1gになります。多少の誤差は気にしなくて大丈夫。これを半分に分けてください。
ポンポンメーカーでベースを作る時は、弾力がある羊毛が適しています。手芸店で入手しやすい『ニードルわたわた染色』シリーズがおすすめです。

黒とピンクの羊毛はひとつまみ程度。木綿糸は30~40cmです。
シート状フェルトは写真のように、白と黒1枚ずつ4cm程の尾っぽの形と、クチバシの形の二等辺三角形1つを切り取っておきます。

手順

(1)ポンポンメーカーに羊毛を巻き付けます。
(2)準備で2つに分けておいた羊毛の1つを片側のアームに巻き付けます。
(3)巻き終えたらアームを閉じて、反対側のアームを開き、同様に巻きます。

(4)羊毛を巻き終えたら両方のアームをしっかりと閉じ、付け根の隙間にハサミを入れて、ぐるりと一周カットします。
(5)カットしてできた隙間に木綿糸を渡し、左右の糸を交差させてギューッと引っ張ります(上写真2段目)。
(6)2回糸をくぐらせたら、引っ張る力をかけたまま上方向で結びます(写真は見やすいように天地を変えています)。さらに逆方向に2回連続で結びます。
(7)全てのアームを開き、真ん中のピンクの円を引っ張り羊毛を外します。
(8)外した羊毛は手のひらでコロコロと転がし形を整え、ハサミで綺麗な球体になるようにトリミングします。すると、かわいい毛玉の完成です。

ここまでの手順は動画でもご紹介しています。ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。

(9)できあがった毛玉に目を付けます。

顔にしたい面の真ん中半分より上に、さし目を2つ仮刺します。位置を決めたら接着剤で固定します。接着剤は少量にしましょう。

(10)クチバシを付けます。

クチバシになる三角形の底辺に接着剤をつけ、目と目の間に尖った部分が上になるように置きます。

ニードルで接着面を毛の中に押し込みます。

横から見た時にクチバシの先が少し出るようにすると、可愛く仕上がります。

(11)次に背中の着色です。

黒の羊毛を目と目の間の長さになるように折りたたみます。シマエナガは正面から見ると真っ白に見えるのが特徴です。それを意識して置く位置を決めます。

ニードルは細くて折れやすいので、垂直に動かしましょう。

このあと上に重ねていくため、目安として軽く刺しとめればOKです。

次に3cm幅の毛束を取り、横長にマットの上に置きます。先ほどの黒の羊毛と同じ幅になるように何回か折りたたみ長方形にしたら、下の角2つを中央に寄せ逆三角形の形を作りましょう。

逆三角形を崩さないよう、目安に置いたところに羊毛に重ねます。真ん中を押さえたまま、先に辺だけをしっかりとニードルで刺して、綺麗な三角形にしましょう。

ボソボソした毛も押し込むように刺してください。辺が綺麗に刺し終ってから面の部分を刺します。背中ができました。

横から見るとこんな感じです。

(12)羽を付けます。

黒の羊毛を少量取り、指先でひねり紐状にしたものを2本作ります。

背中の三角形の頂点に、紐状にしたうちの1本の端をニードルで刺しとめます。

そのままカーブを描くように丸みをつけてもう片方の端の位置を決めます。
この時もシマエナガは正面から真っ白に見えることを意識して、羽の端が見えないように。場所が決まったらその上をニードルで刺して固定します。

反対側の羽も同様に付けます。

(13)ピンクの羊毛を極少量取り、繊維を断ち切るように、ちぎっては重ねを数回繰り返し、ふわふわな状態にします。

ふわふわな状態のまま、背中の三角形と羽の間に置いてニードルで刺します。
完全に刺しても良いですし、ふわふわが残っていても良いです。お好みで構いません。左右やってくださいね。
いよいよ完成が近くなってきました。

(14)尾っぽを付けます。

背中の三角形の頂点に黒の尾っぽの付け根部分を当て、上向きに置きます。付け根をフェルトの上からニードルで数回刺します。

尾っぽを下向きに下げて、もう一度フェルトの上を刺して接着させます。

黒の尾っぽが付いたら、その下に白の尾っぽを入れて同様に付けます。

念の為、白の尾っぽの付け根と、白と黒の尾っぽの間、黒の尾っぽの上の3箇所に少量の接着剤を塗布します。

(15)最後にハサミで毛並みを整えて完成です。

完成までの工程も動画でご紹介しています。ぜひこちらも見ながら作ってみてください。

ここでご紹介したシマエナガの作り方は、羊毛を少量しか使いません。今回購入した羊毛でたくさん作ることができますよ。
使う羊毛の量を変化させて、個性豊かに作っても楽しいですね。ほっぺにピンク色を付けてもかわいいですよ。どんどん自由にやってみましょう!

次回はクリスマスツリーの形をしたシマエナガのお家をご紹介します。お楽しみに!

***
文:すぎたまり(羊毛フェルト作家・講師)
***

【ライター:すぎたまり PROFILE】
札幌市在住。20年前、池田町で羊と出会う。
羊毛フェルトは、羊毛で大小のポンポンを作り、それをつなげてペットのモモンガを作ったのが始まり。自由自在に変化する羊毛がただただ面白く、遊んでもらったり、格闘したり。「羊毛のあたたかみと可能性を伝えたい!」「日常にもっと羊毛を!」といつも考えている人。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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