2022.12.30

育む

【子どもも大喜び!】自然の中で本に囲まれた時間を過ごせる新スポット(2022年12月オープン/白老町)

子どもだけでなく大人も楽しめる絵本を、絵本セラピスト協会認定「大人に絵本ひろめ隊員」であるHBCアナウンサーの堰八紗也佳(せきはち・さやか)がご紹介します。

北海道で「絵本のまち」というと、“絵本の里”とも呼ばれる剣淵町を挙げる人が多いのではないでしょうか。
実は、胆振の白老町でも、古くから、絵本や児童書を通じた「読み聞かせ」が盛んに行われてきました。白老町立図書館の蔵書数は約 74,500 冊で、そのうちの約 4割が児童書。人口が18000人弱の町ながら、読み聞かせの団体は5つもあり、子どもの読書に力を入れています。

今回はそんな白老町に新たにできた絵本に関する施設をご紹介します。

自然と科学のミュージアム 森の校舎

札幌から車で約90分。胆振の白老町・虎杖浜に、スキンケアメーカー「ナチュラルサイエンス」と「ナチュラルアイランド」が運営する『ナチュの森』があります。

ナチュの森は、2018年にオープンした“工園”。水にこだわった工場と、自然豊かな公園が一体となっています。そして既存の施設に加え、2022年12月2日、新たにオープンしたのが『森の工舎』です。外観を一目見てわかる通り、ここは、廃校となった旧虎杖中学校の校舎をリノベーションしています。学校で使われていたものを出来る限り再利用しながら、新しい息吹が吹き込まれたのです。

1階は「香りのラボ」や「蒸留実験室」などがあり、“自然と科学”をテーマとして、大人も子どもも、好奇心や夢が広がる体験ができるミュージアムになっています。
そして2階には、「自然の中で本に囲まれた時間を過ごせる場所を作りたい」という作り手の思いが詰まっていました。

親子で何時間でもくつろげる「えほんの部屋」!

「森の校舎」の2階は、「えほんの部屋」と「ギャラリー」と「ライブラリー」があります。「えほんの部屋」の入口は本棚に囲まれていて、中に入る前からワクワク感が高まります!

こちらの本棚は「色あそび」がテーマ。筆者が訪ねたときは、クリスマスの赤と緑が基調となっていました。季節の変化とともに、入り口を彩る絵本の色も変化していくそうです。
さぁ、靴を脱いでワクワクしながら中へ入ってみると、心も身体もあたたかくなる素敵な空間が広がっていました!

背もたれになるモコモコのクッションに囲まれた、落ち着いた雰囲気の部屋。厳選された約1200冊の絵本が、ジャンルごとに(自然・動物・ロングセラーなど)わかりやすく配置されています。

4歳の息子は自然と寝そべり、妊娠中でお腹が重たい筆者もリラックスした姿勢で読み聞かせができました。

筆者が個人的に驚いたのは、絵本がどれも新品ということ。ナチュの森・企画部の山本さんに伺ったところ、「えほんの部屋」を新設するにあたり、全て新しく購入したとのこと。何となく集まった絵本ではなく、「ぜひこの場所でこの絵本を親子で読んでほしい!」という熱い思いを持って厳選した作品を並べたいという考えのもと、新品を購入したそうです。表紙には汚れ防止のためのラミネートをあえてせず、絵本が持つ本来の色や質感を味わえるようになっています。綺麗な絵本を触るにあたって、利用者側としても“大切に絵本を手に取りたい”という思いが湧いてきました。

赤いカーテンのあるスペースは“ミニ劇場”になっていて、今後、紙芝居などのイベントが予定されています。また土日祝は不定期で絵本の読み聞かせが開催されています。

「えほんの部屋」の隣にある、大人向けのライブラリーも落ち着いた雰囲気

期間限定「ようこそ!絵本のまちへ展」開催中

『からすのパンやさん』(かこさとし・作/絵 偕成社 1973 年)より ©Kako Research Institute Ltd.1973

「えほんの部屋」と同じフロアにある「ギャラリー」では、2023年5月28日まで『ようこそ!絵本のまちへ展』を開催しています。

撮影:吉次史成

会場内では、ロングセラー絵本『からすのパンやさん(作:かこさとし/偕成社刊) を中心とした、絵本の世界が広がっていました!

絵本『からすのパンやさん』(作:かこさとし/偕成社刊)より 撮影:吉次史成

いまにも甘い香りが漂ってきそうな可愛らしいパンに囲まれて、まるで自分が絵本の中に入り込んだような感覚に!約50年にわたって人気の絵本ですから、子ども以上に大人のほうが懐かしくて興奮してしまうかもしれませんね。幼い頃、あなたが食べてみたかったパンはどれですか。息子は“わにパン”がお気に入りの様子でした。

また、ギャラリーの奥では、絵本『みんなのいちにち(作:たけうちちひろ/アリス館刊) の“プロジェクションマッピング”も常時上映されています。とある建物の7つの部屋を、24時間の流れとともに定点観測。美しい切り絵をじっくり眺めて楽しめます。

絵本『みんなのいちにち』(作:たけうちちひろ/アリス館刊)より 撮影:吉次史成

人生で初めて観るプロジェクションマッピングに、息子も大興奮!「この絵本が欲しい!」と、とても気に入っていました。
『ようこそ!絵本のまちへ展』は特別展のため、「森の工舎」への入場料とは別料金になりますが、期間限定ですから、この機会にぜひ覗いてみてくださいね。

今回ご紹介した「ナチュの森」内には、他にもレストラン・ガーデン・ビューティーケアサロンなど、さまざまな施設があり一日中楽しめます。また、同じ廃校の“体育館”をリノベーションした「あそびのひろば」も大人気です。「あそびのひろば」について詳しくは、公園ブラボー!」をご参照ください。
美しい自然・温泉・グルメ・ウポポイ(民族共生象徴空間)など、魅力的がいっぱいの白老町にこれからも注目です!

【参考】
ナチュラルスキンケア工園 ナチュの森
公式HP ナチュの森
住所:北海道白老郡白老町虎杖浜393-12 
TEL:0144-84-1272
営業時間: 10:00 - 17:00
定休日:水・木(祝日の場合は営業)、年末年始

利用料金:
森の工舎+絵本のまちへ展
一般 1,550 円 高大生 1,150 円 小中学生 800 円 未就学児 400 円 1 歳未満無料
「森の工舎」のみ
一般 800 円 高大生 600 円 小中学生 400 円 未就学児 200 円 1 歳未満無料
「絵本のまちへ展」のみ
一般 850 円 高大生 650 円 小中学生 450 円 未就学児 250 円 1 歳未満無料
※2022年12月2日(土)~2023年4月25日(火)(ガーデンオープン前)までの料金

ギャラリー開催概要
『ようこそ!絵本のまちへ展』
会期:2022年12月2日(金)〜2023年5月28日(日)
主催:株式会社トレック
特別協賛:株式会社ナチュラルサイエンス
後援:登別市、白老町
協力:加古総合研究所、おおでゆかこ、たけうちちひろ、偕成社、アリス館、
plaplax、Tone&Matter
会場設計:トラフ建築設計事務所
グラフィックデザイン: AFFORDANCE
撮影:吉次史成

***
「連載コラム・今月の絵本通信
文|HBCアナウンサー 堰八紗也佳
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Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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