2022.11.14

出かける

旧竹鶴邸見学ツアーが2年ぶりに復活!「ニッカウヰスキー 余市蒸溜所」を巡る【近隣ランチ情報も】

今回のお酒の旅は北海道余市「ニッカウヰスキー 余市蒸溜所(以下、蒸溜所)」さんです。製造エリアや「旧竹鶴邸」を見学してきました! 2020年から2年ぶりにプラチナムVIPツアー(有料)も復活。今後のおでかけのご参考にしていただければ幸いです。

ニッカウヰスキー 余市蒸溜所(北海道・余市郡)

こちらが「蒸溜所正門」。いつ来てもこの正門を通る時ワクワクします~。

2022年11月現在製造エリア見学(無料)は完全予約制。売店・レストラン・「ニッカミュージアム」は予約なしでも入場可能です。

青空に赤い屋根が映えますね~。お天気に恵まれて快調なスタート!

蒸溜所のキルン塔(第一乾燥棟)をはじめとする10の建造物は、2022年2月4日に国の重要文化財に指定されました。約4万年前に支笏湖ができた際の火砕流が冷えて固まった札幌軟石が多く使われているのも見どころのひとつです!

蒸溜所ガイドツアーに参加

まずは無料で見学できる製造エリアから1号貯蔵庫までを歩いてみましょう。

いきなりですがこの塊はなんだと思いますか? これは「ピート」という草炭です(野草が乾燥して固まったもの)。これを燻して大麦の発芽を止め、大麦麦芽(モルト)ができあがります。ウイスキーをスモーキーな香りにするのに大切な草炭、札幌近郊では石狩市が採取場所として有名なんですよ!

右側が粉砕・糖化棟、左側が発酵棟です。できあがった大麦麦芽を粉砕して、約60℃の温水で撹拌(かくはん)・糖化します。

糖化から冷却したものとニッカ独自のウイスキー酵母をタンクの中で発酵させてできる液体(もろみ)を地下のパイプで蒸溜棟へ送ります。

製造ラインの一番の見どころになる蒸溜棟。石炭直火蒸溜は世界でも余市だけとか。
もろみの時はアルコール度数8%前後ですが、蒸溜器(ポットスチル)で2回蒸溜を行い65%前後の原酒になります。
この時のウイスキーは無色透明でニューボーン、ニューポット、ニューメイクなどと呼ばれています。

温度を一定に保つため熟練の技師の方が石炭をくべます。10分も経たないうちに同じ蒸溜器へ繰り返しくべていました。この作業があってこそ美味しいウイスキーが味わえると思うと頭が下がります。

あれだけ石炭を焚いても煙突から煙がでていないのが凄いところ。環境問題に配慮した装置が施されていました。

50メートルある貯蔵庫は所内26棟。蒸溜されたウイスキーは樽に詰められ貯蔵庫で長い眠りにつき熟成されます。

現在見学できるのは一号貯蔵庫のみ。棟内の温度は自然任せ。操作による調整はしていません。余市の気候風土が美味しいウイスキーを育ててくれるのですね。

昨年末完成した大型貯蔵庫41号庫
なぜ26号からいきなり41号になったか、勘の鋭い方ならわかりますよね! ここは北海道のどこでしょう?
そうです! よ・い・ち!!
余市の41とのことでした~。

続いて「旧竹鶴邸」内部へ

製造過程見学を終えた後、旧事務所内部の説明を伺いました。ここからは有料のプラチナムVIPツアーで入場できる「旧竹鶴邸」を見学します。何度となく蒸溜所へ来ている筆者ですが部屋の中に入るのは初めて!

当時を再現した応接間に、ただただ感動! リタさんが弾いていたピアノがあり心奪われます。

リタさんがこの楽譜を使っていたのかと思うと胸が熱くなりました。

竹鶴氏愛用のパイプ。邸内に馬の模様のものが多いのは氏が午年だからとか。

もともと質の高い高級品ですが保管状態もよく美術品として鑑賞できました!

竹鶴氏はこの椅子に座りパイプを燻らせウイスキーに思い巡らせていたのでしょうか。ロマンを感じずにはいられません。

こちらは竹鶴氏の娯楽の間。お仲間と囲碁をされるのが多かったとのこと。畳のヘリに“竹”と“鶴”が施されていますので入邸の際は要チェックですよ!

目を引いた洋酒瓶立て。これ欲しいです! 竹鶴氏が寝酒用に特注したと解説がありました。

研修先のスコットランドから持ち帰った旅行鞄。

目を凝らすとお二人の住所・名前が読み取れます。邸内では衣服が入った洋服ダンスやリタさんが漬けた梅干しの壺の展示もあり日常の生活が感じ取れました。

竹鶴氏がリタさんへ送ったバースデー・プレゼントの書籍。家計簿のような記載もあるとのこと。お二人の交換日記のような書籍だったのでしょうか。なんだか微笑ましく温かさを感じました。

「旧竹鶴邸」訪問でウイスキーの味わいをより深く感じられることは間違いないです。素敵な体験ができました!

「ニッカミュージアム」も見逃せない

2021年10月27日のリニューアルオープンから1周年を迎えた「ニッカミュージアム」はブレンダー視点からのウイスキーづくりを紹介するエリアです。

ブレンダー・ラボを再現したエリアはミュージアムの入口。テーブルに並んだ原酒の数々から新しいニッカの味が生まれます。

ニッカを代表する4つのブランドを紹介するエリアでは『竹鶴』『余市』『フロム・ザ・バレル』『ブラックニッカ』が紹介されています。

ミュージアムの奥には有料試飲ができるテイスティング・バーがあり、ウイスキーづくりに関わる方々のスペシャルトークのビデオを視聴しながらウイスキーを楽しむことができますよ。

※2022年11月から年内は改装工事の為一部見ることのできない箇所があるとのこと。有料試飲のバーは継続して利用可能です。来場の際はご注意ください。

見学の後は無料試飲会場で『シングルモルト余市』『スーパーニッカ』『アップルワイン』を楽しみました。併設の売店では蒸溜所限定のウイスキーを購入! 竹鶴氏の銅像にご挨拶をして蒸溜所を後にしました。

「Jijiya・Babaya(ジジヤ ババヤ)」さんでランチ

蒸溜所内のレストランでランチをする予定でしたが前日に急遽休業の公表があり、蒸溜所から徒歩10分程度のところにあるピッツアとパスタのお店「Jijiya・Babaya(ジジヤ ババヤ)」さんへ。

店内は窓から入る自然光が心地よいお店です。余市や近郊のこだわり食材を使ったピッツアやパスタがメニューに並びます。

筆者が選んだのはこちら、余市で獲れた『ヘラガニのトマトクリームパスタ』。写真映えはもちろんですが、味わいも抜群。旨味が濃く、殻が柔らかいので身がついている脚の部分はかじって味わいましたよ。美味しかった!

取材後記

2024年に創業90周年を迎える「ニッカウヰスキー」さん。今年9月には70年ぶりに北海道余市町へ本店所在地が移り、41号貯蔵庫も稼働を始めました。生産量に期待が高まります。
また、「二ッカでヌン活!ヒゲのアフタヌーンウイスキー会」という新しい有料ツアーが曜日限定でスタート。何度来ても感動があるので、来年の改装後を楽しみにしたいと思います。
みなさんもぜひ、気になるツアーを予約のうえ訪れてみてくださいね!

ニッカウヰスキー 余市蒸溜所
■所在地:北海道余市郡余市町黒川町7-6
■TEL:0135-23-3131(代表)受付け時間 /9:00〜16:30
■入場時間:
製造工場内(※ガイドツアー完全予約制):9:00~16:30(最終入場15:00)
ニッカミュージアム:9:15~16:15(有料試飲ラストオーダー16:00)(最終入場15:30)
売店「ノースランド」:9:15~16:15(最終入場15:30)
レストラン「樽」:10:30~15:50(L.O15:20)     
■休業日:12月25日~1月7日

Jijiya・Babaya
■住所:余市町朝日町15-1
■電話:0135-22-7822
■営業時間:11:30~14:30
■定休日:火曜日

※掲載の内容は取材時点(2022年10月26日)の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、最新の情報は各店舗・各施設にお問い合わせください。

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文:ムライヒロコ
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【ライター:ムライ ヒロコ PROFILE】
生まれも育ちも札幌市。酒販店に勤務するアラウンド還暦。乗り鉄兼呑み鉄。
「おいしいお酒を飲みたい!飲んでほしい!!」をモットーに、公共交通機関を利用して、各地にいらっしゃる酒神さま詣での日々を過ごす。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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