北海道には、北海道にしかいない「かわいい」動物たちがたくさんいます。動物たちの自然な姿に癒されるとともに、動物たちが暮らす環境に思いを馳せてみませんか?「北海道3大かわいい動物プロジェクト」に寄せられたみなさまからのお写真をご紹介します。
今回は、かわいい「ヒナ」特集をお送りします!
いずれも、とってもかわいいお写真ですね。お風呂に浮かぶ〝アヒルのおもちゃ〟のようです。
いちばん下の写真は、去年撮影された、水面に舞い降りたポプラの綿毛を、ヒナ達が食べている様子です。
いつもの年であれば、札幌にポプラの綿毛が舞う5月下旬から6月上旬あたりが、オシドリのヒナがかわいい姿を見せる時期なのですが、ことしはその季節がやって来ても、なかなかその姿をみることが出来ませんでした。
夏になると、西日本から北海道にやって来て、卵を産み、子育てをするオシドリに、ことしは何かしら〝変化〟があったかも知れません。
札幌市内の公園などでも毎年見ることが出来たヒナ達のかわいらしい姿が、場所によってはまったく見ることが出来なかったり、時期がかなり遅れてやっと姿を見せてくれたと思ったら、ヒナの数がかなり少ないなど、ことしはいつもの年とくらべて、何かが変なのです。
オシドリは、大きな木にあいた穴(樹洞)に卵を産み、あたためます。
オシドリのヒナ達の姿を見られなくなる原因は、卵を産むことが出来るような大きな木が朽ちて倒れるなどして、なくなってしまったり、あるいは、野生化したアライグマが増えてしまい、オシドリや、フクロウといった、木の上で育つヒナ達が襲われ、食べられてしまったり、また、池の水が汚れてしまうなどして、子育てに適した場所ではなくなってしまうといったことなどが、まっさきに思い浮かびます。
夏の気温が高くなりすぎる年には、あまり卵を産まないのでは?という話も聞きました。もしかしたら、ひとつではなくいくつかの原因が重なっているのかも知れません。
かわいいヒナを10羽ほど連れた母鳥を見ることも珍しくありませんでしたが、ことしは3羽や4羽など、ヒナの数が少ないことも気になります。
オシドリと同じように木の穴(樹洞)に卵を産む水鳥に、カワアイサがいます。十勝の音更町では、森で子育てをしたカワアイサの母鳥が、毎年、10羽以上のヒナを引き連れ、マチの中心街から国道を横切って、川までの2キロほどの道のりを行列することで知られています。
毎年、カワアイサが巣として使っていた、ニレの巨木が倒れたという知らせが、先月届きました。高さ約20メートルで、幹回り約5メートル、推定樹齢は数百年といわれ、カワアイサだけでなく、フクロウやリスなども集まる、大切な場所だっただけにとても残念です。
倒れてしまった木の代わりになるような大きな木がすぐに見つかれば問題は無いのですが、樹齢100年以上といった木は簡単には見つかりません。
こちらは、カイツブリという水鳥です。お母さんの背中に3羽のヒナが乗っています。何ともかわいらしく、心安らぐ姿ですねー。
ところが、次の瞬間、ヒナたちに思いもしなかった事態が起きたようです。お母さん、ひな達を背中に乗せていたことを忘れてしまったのか、急に全身をブルブルっとしてしまったようです。
ヒナが「うひゃーっ!」と、まるでコミックマンガのように振り落とされてしまいました。ヒナちゃん、さぞかし驚いたのではないでしょうか?
鳥たちが、かわいらしい子育ての様子を、私たちのすぐそばで見せてくれる自然環境があることは、かけがえのない〝北海道らしさ〟の象徴でもあります。この豊かさがいつまでも続くように、身の回りの自然に、興味を持ち続けていきたいと思います。
文:インスタグラム「北海道3大かわいい動物」プロジェクト事務局 / ami_papa
オシドリのヒナなどのかわいらしい様子は、8月13日(土)にHBCで放送の「SitakkeTVでもご紹介します。
■かわいいうしろ姿が振り向いたら…あどけない表情に「キュン!」