2022.06.18
SitakkeTVハンバーグの付け合わせとしてよく見る、「ニンジンのグラッセ」。子どもは特に、苦手だという子も多いかもしれません。
札幌の木村真依子(きむら・まいこ)さんも、もともとニンジンのグラッセが苦手でした。しかし、あるものを使って克服。
それが…日高昆布から取った“だし”です。
木村さんは、「ナナクラ昆布」というブランドで、日高昆布のオンライン販売や“だし”の取り方講座を開いています。祖父が新ひだか町三石の昆布漁師で、「祖父が築いてきたものを絶やしたくない」と思い、日高昆布の普及を志したそう。
木村さんは、昆布を「おしゃれ」なイメージにし、“だし”を簡単で身近なものに変えようとしています。
木村さんは、「毎日続けられるように」と、簡単な“だし”の取り方を考案しました。なんと、面倒な煮干しの下処理がいらないのです!
特別に、基本のだしの取り方を教えてもらいました。“だし”を取るときには「根昆布」がおすすめ。根元は、昆布の中でも、うま味がつまった部位です。
まずは、根昆布を直火であぶります。裏表、ほんの1~2秒あぶるだけで、「香ばしさが染み出て、濃いおいしいおだしになる」そう。
ボトルに水を入れ、あぶった昆布と煮干しを入れます。このとき、煮干しの頭やはらわたを取る必要はありません!あとは一晩ほったらかし。
一晩おくと、昆布は大きくなり、水に色が染みだしています。
一晩おいてうま味が染み出した水と、昆布を、鍋に投入。煮干しは入れません。煮干しを火にかけない方法ので、下処理が必要ないんです。
まずは強火に。ふつふつ泡が出てきたら、沸騰直前の合図なので、弱火にして5分から15分ほど待ちます。お好みの濃さによって時間を調節してほしいといいますが、30分以上火にかけると、えぐみが出てきてしまうので、注意が必要です。
これで、もう完成!
昆布を取り出した後、ボトルに入れて冷蔵庫で保管しておくと、3日ほど使えるそうです。
基本の“だし”は、和食でも洋食でも、いろいろな料理に活用できるそう。
野菜嫌いのお子さんがいる家庭で試してほしいのが、ニンジンのグラッセ。作り方を見せてもらいました。
冷蔵庫から出した“だし”を、まわしかけます。見た目で、このくらい…
フタをして、しばらく待ちます。
火が通ったら、バターと、バルサミコ酢を入れます。バルサミコ酢がなければ、ポン酢でもOK!
「いつも分量は気にせず作っている」と笑う木村さん。“だし”を暮らしに取り入れるといっても、肩ひじ張る必要はないようです。
全体になじませたら、もう完成!
ニンジンのもともとの甘さに、昆布の深みが加わるので、甘ったるくない、新感覚のニンジンのグラッセになります。
木村さんが目指すのは、「おしゃ出汁女子」を増やすこと。“だし”をとることを、おしゃれとして広めたいといいます。
「私は毎日おだしを取るんですけど、そうすると自分がちゃんとしているような気持ちになるんですよね。自分に丁寧に、自分を大切にしているような気持ちになれるんです」
どんどん便利になる世の中だからこそ、料理をおいしくするために、ひと手間をかける人は、「おしゃれ」だと思う…。そう考え、「おしゃれなひとはだしをとる」という言葉をブランドのキャッチコピーにしました。
家庭でも、毎日いろいろな料理に“だし”をまわしかけるといいます。ハンバーグも、“だし”で蒸し焼きにすると、深みが増しておいしいんです。
「お出汁の蒸し焼きハンバーグ」の作り方や、故郷から札幌に来て起業し、コロナ禍でも努力を続ける木村さんの生き方についてのインタビューは、連載「こう生きたっていい」の記事でご紹介しています。
さらに、今後Sitakkeでは、木村さんが考案した、日高昆布を活用したレシピを、連載でお届けします!昆布で味がどう変わるのか、ぜひ一緒に試しながら、“おしゃ出汁女子”になってみませんか?
【ナナクラ昆布】
・昆布など商品は公式サイトでオンライン販売
・お出汁講座は、「ナナクラ昆布事務所」での対面、もしくはオンラインで開催。
最新の詳細は公式サイトでご確認ください
【ナナクラ昆布事務所】
・札幌市中央区南19条西14丁目2−23 第6サイトウビル1F
・市電ロープウェイ入口駅の目の前
・メール:info@nanakura-kombu.com
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