2022.04.16
SitakkeTV母の日が近づき、花を贈ろうかな…と考えている人も多いのではないでしょうか。定番のカーネーションもいいですが、あなたからあなたのお母さんへだけの、特別な想いを込めたオーダーメイドのギフトも、考えてみませんか?
札幌市西区の「花たく」。ドアを開けると、スチールの大きな机や棚が目に入ります。かわいい「お花屋さん」というイメージとは違い、職人の作業部屋のよう。
「花たく」には、決まった商品はありません。フラワーギフトなら、贈る相手のことを聞いてから、すべてオーダーメイドで作ります。仕入れる花も、そのとき入っている依頼に合わせて選びますが、そこにも「かわいい」イメージとはギャップが。
店内を見渡すと、圧倒的な「みどり」の多さに驚きます。
フローリストの忠村香織(ただむら・かおり)さんは、「茎や葉を含めた全部で植物なので、全部がきれいに見えるようには心がけています」と話します。
香織さんがあしらう花を見ると、花の魅力は花びらだけではないんだ、と気づかされます。
主役級に輝く、凛とした「みどり」。
赤や青など一言で言えるようなハッキリした単色ではなく、淡いグラデーションが広がっています。その中にある白の清楚さを感じられる、やわらかな雰囲気…。楽しめるのは見た瞬間だけでなく、ひとつひとつの花びらを、じっと見つめたくなるような花束です。
繊細な手先仕事かと思いきや、仕事道具を見せてもらうと、電動ドリルなどの大きな工具が…。
舞台やレストラン、イベントなどの「空間装飾」の仕事もしているんです。
大きな脚立に上って、舞台を彩る大きな作品を作ったり、天井に沿って育ったような草木を生み出したり…。全身を使う力仕事です。
「空間装飾」の技術は、ドイツやオーストリアで学んだそう。香織さんは、その空間を見る経験が、フラワーギフトにも生かされていると話します。
「誰に渡すかとか、どういう想いを伝えたいかとか、その人の“奥行き”を見るのはもしかしたら、空間の奥行きを見るところとリンクしているのかなと思いますね」
香織さんは、フラワーギフトの「準備」に手間をかけます。どんな人に贈るのか、どんな想いを伝えたいのか…家に飾って楽しめるようにしたいなら、その人の家はどんなイメージなのか、その家の中で花を輝かせたいのか・なじませたいのか…。
フラワーギフトそのものだけに集中するのではなく、花を贈る人と贈られる人の「その後」を想像するといいます。
「花を見たその瞬間はもちろん大切なんですけど、人生ってその後もどんどん続いていくので、花を贈ることでその方への『ありがとう』って気持ちがさらに増したり、花を見ることで心に何か感じるものがあったり…。そんなふうに、何かのきっかけになれたらな、と思います」
「準備」を大切にするからこそ、母の日に向けたフラワーギフトは、4月中には依頼してほしいそう。コーヒーやサブレを一緒に頼めるギフトセットも用意されています。(※母の日の時期ではなく、誕生日などに向けて依頼したい場合は、3日前まで)
「花たく」は、香織さんの父・雄幸(ゆうこう)さんが始めたお店。香織さんは、大学で視野を広げるうちに、花とはまったく違う仕事に就こうと考えていたといいます。それでも、父と同じ花の道を選んだ理由とは?
父と娘の物語は、こちらの記事でご紹介しています。
→「大切な人とのこれからに、花できっかけを…想いを花で形にする父と娘」
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花たく
・札幌市西区西野2条7丁目5-16
※掲載の情報は取材時点(2022年4月7日)の情報に基づきます。最新の情報は店舗にお問い合わせください。