2022.04.16

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出産で入院したとき、同じ病室に「妊娠中の男性」がいたら…?「こころが男性どうし」のふうふと、病院の挑戦

真冬とともに近づく、「僕ら」の新しい命の誕生

2021年12月17日、34週の健診。札幌市内は大雪に見舞われ、街中には渋滞も発生しました。きみちゃんは車の運転を諦め、ちかさんとともに千歳市からJRと市電を乗り継ぎ、吹雪の中、病院にやってきました。

個室を見学したり、理想の出産について考える「バースプラン」を記入する紙を渡されたり、出産の日がどんどん迫っていることを実感する日でした。

赤ちゃんの誕生予定まで、およそ1か月。

「年明けには生まれるんだなって思いますよね」とわたしがつぶやくと、きみちゃんは「2人の時間も大切にしたいなって思います」と口元を緩めながら、助手席に座るちかさんの後頭部をちらっと見つめていました。

「2人」で過ごす、最後の年末年始。家族「3人」になる日を、2人も病院のスタッフたちも、少し緊張しながらも、楽しみに待っていました。

しかし、年越しを待たずに、2人は予期せぬ形で出産を迎えることになります。

***
連載「忘れないよ、ありがとう

文:HBC報道部・泉優紀子
札幌生まれの札幌育ち。道政・市政を担当しながら、教育・福祉・医療に関心を持ち、取材。大学院時代の研究テーマは「長期入院児に付き添う家族の生活」。自分の足で出向き、出会った人たちの声を聞き、考えたことをまとめる仕事に魅力を感じ、記者を志す。居合道5段。

編集:Sitakke編集部IKU

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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