2025.09.09

暮らす

「くそ旨いハンバーガー」をきっかけに生まれる新たな文化圏。生活に溶け込む場所を目指して【函館・本通】

MILL BROWN

2023年11月、本通4丁目に誕生したグルメバーガー専門店『MILL BROWN(ミルブラウン)』。
通りには『ケンタッキーフライドチキン』や『ラッキーピエロ』など言わずと知れたチェーン店が並ぶエリアに、臆せず堂々と出店した。

「そういう場所に店を出したのは、実は少し意図的で。それだけちょっぴり自信があるってことを伝えたかったんです」と無邪気に笑う店主の後藤公平さん。

実際その笑顔を裏付けるように、開店時間の午前11時を過ぎた瞬間から次々と客が訪れてハンバーガーを注文。厨房の鉄板スペースはパティであっという間に埋め尽くされた。開業から2年足らずだが、実力一本で口コミ人気が広がっている。

森町出身の後藤さんが単身アメリカに渡ったのは、会社勤めをしていた27歳のとき。サンフランシスコでの滞在中、彼が見たのは現地の濃厚なローカリズムだ。

「あっちは街ごとではなく、各ブロックごとにその地域のカラーだったり文化があるんです。食べ物にしても遊びにしても。それって函館でも作り出せないものかなと思ってたんです。同じ志とか同じノリを持ったもの同士、共感できる部分が一致したもの同士が一緒になって地域の文化圏をつくっていくみたいな。そう思ったところ、隣にそういう人が来てくれた。しかも店はかっこいいし、商売的にもウチとかぶらない。これを待ってたんです」

後藤さんが思い描く店の理想像は、その地域で暮らしたり働いたりする人々の「生活」の中に、当たり前のように存在する場所であること。

店が掲げるスローガンは【Damn fine burgers & Culture】。アタマに付いた「ダム ファイン」とは、「最高」や「イケてる」を指すスラングだが「言葉は悪いですが、僕の言い方に置き換えると『くそ旨いハンバーガー』(笑)。ハンバーガーをきっかけにつながりを横に広げて、このあたりのローカルならではのカルチャーを生み出していきたいですね」。

peeps hakodate

函館の新しい「好き」が見つかるローカルマガジン。 いまだ開港都市としての名残を色濃く漂わせる函館という街の文化を題材に、その背後にいる人々を主人公に据えた月刊のローカルマガジン。 毎号「読み物であること」にこだわり、読み手の本棚にずっと残り続ける本を目指して編集・制作しています。(無料雑誌・月刊/毎月10日発行)

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