2025.09.05

暮らす

「なぜ函館には水族館がないんだろう」10年越しの夢に向かって歩き出した男の物語

菊池さんが目をつけたのは、函館のいたるところにある水槽だ。市場、街中の居酒屋、そのほか公共施設など、目をこらして街を見てみると魚たちが泳ぐ小さな水槽はいたるところにある。
そういう場所と協力関係を結び、展示用の水槽を徐々に増やしていき、人が各地を「見てまわる」仕組みをつくる。これが菊池さんが考えた『函館まちかど水族館』プロジェクトだ。

「街に水槽がたくさんあるだけでなく、函館には水産学部という魚に関する専門機関があるのもかなりのアドバンテージです。実際、僕の先輩たちにも水族館で働きたいという人は本当に多かった。これが本格的に動き出せば働き手や協力者はかなりいるはずなんです」

菊池 優さん。「水槽設置の協力店が30店舗くらいまで増えたら、『水族館めぐり+飲み歩き』のバル的なイベントができないかと模索中です。そういった収益に結びつくモデルをつくって、長く継続するための道筋をつくっていきたいですね」

昨年の夏より、プロジェクトの第一歩として弁天町の老舗塩辛製造会社「小田島水産」の加工場の一角を借り、私物の水槽を持ち込み。さらには自ら海や川で釣ってきた魚を集めて『函館まちかど水族館』第1号が誕生。小田島水産を訪れた人々の目を楽しませている。

2024年夏から始まった小田島水産内での『函館まちかど水族館』。初期段階での展示用の魚は、すべて目の前にある入舟漁港で採集。プロジェクトメンバー、小田島水産のスタッフや仲間、そして地域の子どもたちと一緒に集めてきたものを展示した。

peeps hakodate

函館の新しい「好き」が見つかるローカルマガジン。 いまだ開港都市としての名残を色濃く漂わせる函館という街の文化を題材に、その背後にいる人々を主人公に据えた月刊のローカルマガジン。 毎号「読み物であること」にこだわり、読み手の本棚にずっと残り続ける本を目指して編集・制作しています。(無料雑誌・月刊/毎月10日発行)

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