2025.09.03

食べる

はじめましての魚を“体験”する食堂。「“未利用魚”という言葉を無くしたい」オリジナル料理と出会える【函館おさかなセンター】

近ごろ、さまざまなメディアでよく目にする海産物の卸売・小売の会社がある。それが市内宇賀浦町・漁火通り沿いの『福田海産』だ。

1987(昭和62)年創業で、鮮魚、冷凍食品、塩干物、ギフト品など、北海道の海の幸を中心に扱っている。
それと同時に函館の海がかかえる問題にも積極的に向き合い、特に水揚げされてもサイズが小さい・需要がない等の理由で市場に流通しない「未利用魚」をつかった商品開発プロジェクトにも積極的に参画。

同じ志をもつ企業や漁師、料理人らとチームを組み、函館産マイワシをつかった『ハコダテアンチョビ』や『ハコダテナンプラー』をリリースして話題になったのも記憶に新しいところだ。

そんな福田海産が、今年5月に始めた新たな試みが『函館おさかなセンター』の開設である。
宇賀浦町の直売所内を改装し、津軽海峡を一望できるロケーションで未利用魚を中心としたオリジナル料理を提供するこの店の運営を一手に引き受けているのが、同社の水産加工工場長を務める齊藤いゆさん。

齊藤いゆさん。「できれば“未利用魚”という言葉自体をなくしたいんです。だからうちでは需要があろうがなかろうが、函館でとれる魚はすべて“地魚(じざかな)”という名称にしています」

旧上磯町出身で、2019年から魚に特化した楽曲をつくり歌をうたう「おさかな専門シンガーソングライター」として活動。祖父は旧戸井町の元昆布漁師で、叔父も現役の漁師。幼少期から海と魚を血肉にして育ち、趣味でも船に乗り津軽海峡で沖釣りをするという生粋の“魚っこ”だ。

「実は『函館おさかなセンター』という名前だけは頭の中にずっと前からあって(笑)。全国の水族館とか市場などの魚がある場所を見てまわって、いろんな魚を見たり買ったり食べたりできる場所が函館につくれたらいいなとずっと思っていた。もしそれができたとき、こんな名前はどうだろうと。で、今回福田水産としての新しい事業を始めるにあたって、この名がようやく日の目をみたという感じです」

peeps hakodate

函館の新しい「好き」が見つかるローカルマガジン。 いまだ開港都市としての名残を色濃く漂わせる函館という街の文化を題材に、その背後にいる人々を主人公に据えた月刊のローカルマガジン。 毎号「読み物であること」にこだわり、読み手の本棚にずっと残り続ける本を目指して編集・制作しています。(無料雑誌・月刊/毎月10日発行)

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