Aさんの日課は、自転車での散歩。81歳とは思えない脚力です。
腕は真っ黒に日焼けし、ハンドルを握っている手の部分だけが白くなっています。
実はAさん、施設に来てからも、何度か万引きをしてしまいました。
そんなときも、施設はチラシを配り、地域の人に協力してもらえるよう説得しました。
認知症の人を犯罪者にするのではなく、周りの目で守っています。
自転車が大好きだというAさんですが、一時期、迷子になってしまうことも。
取材していたこの日、1時間たっても施設のまわりで姿が見えませんでした。
無事に帰って来ましたが、「どこまで行っていたの?」とたずねられると、「この辺をぐるっと…」。
Aさんは、夏だと午前3時半や4時に自転車に乗って札幌市白石区の施設を出ていくこともあるといいます。
そして朝ごはんの時間を過ぎた午前8時ごろになると、石狩の消防署や、小樽の警察、定山渓、新千歳空港を越えてもっと先まで行っていることもあるのだとか。
実はそこには、遠出する理由がありました。
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