2024.10.03
深める9月15日、札幌市で行われたさっぽろレインボープライド。
今年で24回目を迎え、性的マイノリティへの差別解消などを訴えてきました。
「あらゆる差別に『NO』を」。
初めての開催から受け継がれるその思いの背景を取材しました。
2024年のパレードには、1000人以上が参加し、沿道は多くの人たちであふれていました。
1000人を超えたのは初めてで、過去最多の人数。
札幌市役所にも、今回初めて性の多様性の尊重を表す「レインボーフラッグ」が掲げられました。
初めて札幌でパレードが開催されたのは1996年のこと。
第1回目のイベントの名前は、「レズ・ビ・ゲイ プライドマーチ」でした。
「ビ」とは、男性のことも女性のことも好きになる「バイセクシャル」を指しています。
いまほど、多くのセクシャリティが存在することは、認識されていませんでした。
美唄市出身で北海道大学名誉教授、明治大学教授の鈴木賢さんは、自身もゲイの当事者として1994年に東京のパレードに参加しました。
「東京という誰にも自分が知られていない場所でパレードをしていても意味がない。日頃生活しているところで可視化されないと」
2年後に有志で集まった仲間たちと、札幌市での開催を実現させました。
「『差別の解消』というこの主張は、最初からはっきりと出している。これは政治的なデモンストレーションなんだと」
いまより差別が根強い時代。セクシャリティを打ち明けあった仲間からは、「誰か知り合いに会うかもしれない。歩けるはずがない」と言われることもあったといいます。
沿道には、「過激派ではないか」といった懸念があってか、警察の機動隊も出動しました。
「『思いっきりゆっくりやれ』『警察の言うことを聞く必要はない』。とっとと終わらないように。要するに可視化される時間が長い方がいいわけだから」