2024.10.27
深める子宮頸がんは、主に性交渉から感染するHPV=ヒトパピローマウイルスによって発症する「進行性のがん」です。
このウイルスは、男性も女性も感染します。
海外では集団免疫を獲得するため、男性にもHPVウイルスワクチンの接種が推奨されている国もあります。
感染のきっかけが「性交渉であることがほとんど」と言われているため、“性に奔放な人がかかるがん”だとして、いまだに発症した人に対する偏見の目が向けられることもあります。
でも、実態はまったく違います。
北海道対がん協会細胞診センターの岡元一平所長によると、「基本的に8割の女性がかかるウイルス。非常に身近なウイルスで、かかることは決して恥ずかしいことでも悪いことでもない」といいます。
ウイルスは若い世代を中心に免疫などで自然に排出される一方、一部では感染が続き、がんになります。
がんの前段階の状態であっても、自然と消えることも多くあります。
しかし、子宮頸がんの注意すべき特徴の1つは、症状が進行するまで自覚症状が現れないことが多いという点。
不正出血などの症状が現れ、受診をしたときにはもう手遅れなほどがんが進行していたという30代や40代の患者にも、岡元所長は向き合ってきました。
「感染した状態が、がんに近づいていないか」。
その兆候を見逃さないために大切なのが「検診」なのです。
子宮頸がんの検診は子宮頸部の細胞をこすり取って行います。
自治体からの助成もあり、短時間で済む検査です。
国が接種をすすめるワクチンは、200種類以上あるHPVウイルスのうち、がんを起こしやすい型に効果があるとされています。
最もがんになりやすいのは16型・18型で、その他にも10種類ほどリスクが高い型があると言われています。
子宮頸がんの予防効果があると言われているHPVワクチンは、そのうち2種類の型に効果があるとされる2価(接種開始当初のワクチン)、4価、9価の3種類があります。
そのため、接種の前に感染していたウイルスやワクチンの対象になっていないウイルスは防ぎきれていないのです。
だからこそ検診が重要になってきます。
日本では、HPVウイルスへの感染は20歳前後が多く、5年から10年かけてがんの発症率が上がります。
北海道対がん協会細胞診センターの岡元一平所長は「25歳を超えたころから2年に1回検診を受けてほしい」と話します。
「大体感度が70%の検査だから2回受けてもらうと9割の病変を発見できるので繰り返し受けることが重要」
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