札幌の小学生たちが活動するブラスバンドが、北海道代表として、全国大会に出場しました。
その本番に向けて猛練習が続くなか、ある悩みに直面していました。
体育館にあふれんばかりの観客に迎えられた子どもたち。
ひとたび楽器を演奏すると、きりっとした表情に華麗な音色が響きます。
この音を奏でるのは、札幌の「新琴似北ブラスバンド」です。
メンバーは、新琴似北小学校の2~6年生までの児童、計44人。
平日の朝と土曜日に練習しています。
この日の練習はいっそう熱が入っていました。
全国大会を控えているからです。
ブラスバンドは2024年の夏の吹奏楽コンクールの全道大会で「金賞」を受賞。
茨城県水戸市で開かれる「東日本学校吹奏楽大会」の北海道代表になりました。
しかも、2年連続の快挙。
そんなブラスバンドはある悩みに直面していました。お金の悩みです。
新琴似北ブラスバンド指導者の三上充さんが教えてくれます。
「ブラスバンドの活動自体は、中高の部活動とは違って少年団的な扱い。特に札幌市からの補助は一切ない」
ブラスバンドは部活動ではなく、あくまで少年団の扱いのため、市からの補助がありません。
「楽器の輸送費」「交通費」「宿泊費」など、遠征のため、各メンバーの家庭の持ち出しは10万円ほどになります。
その負担を何とか軽くしたいと考えたのが、クラウドファンディングです。
楽器の輸送費100万円の寄付を募りました。
大会を前に開かれた壮行演奏会。
新琴似北ブラスバンド 小嶋英美子さん(小6)
「感謝を伝える演奏会なので、精いっぱい頑張って演奏できたらいいな」
新琴似北ブラスバンド 岸井遥毅さん(小6)
「東日本大会で演奏する『ロイヤルマイル組曲』の3楽章を頑張って練習しているので、特に聴いてほしい」
たくさんのエールを力に変え、自分たちの音色を全国大会のホールに響かせようと奮闘する子どもたち。
そのかいもあって、大会の前日に寄付額は目標を達成!
子どもたちは無事、安心して全国大会に臨みました。
結果は「銀賞」。
悔しくて涙する子どももいたということですが、広い世界に羽ばたいて、経験を増やせたことはこれからの大きな糧になるはず。
その一方で、子どもが夢中になれる何かにお金の心配がつきまとう…同じ悩みを抱える団体や部活もあるはずです。
その現状をこの先どうしていくのか、広い視点で考える必要がありそうです。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年10月2日)に基づき、一部情報を更新しています。
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