2024.10.18

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全国出場の強豪小学生の悩みは「お金」…子どもが夢中になれるものをどう守る?

札幌の小学生たちが活動するブラスバンドが、北海道代表として、全国大会に出場しました。
その本番に向けて猛練習が続くなか、ある悩みに直面していました。

体育館にあふれんばかりの観客に迎えられた子どもたち。

ひとたび楽器を演奏すると、きりっとした表情に華麗な音色が響きます。
この音を奏でるのは、札幌の「新琴似北ブラスバンド」です。

メンバーは、新琴似北小学校の2~6年生までの児童、計44人。
平日の朝と土曜日に練習しています。

この日の練習はいっそう熱が入っていました。
全国大会を控えているからです。

ブラスバンドは2024年の夏の吹奏楽コンクールの全道大会で「金賞」を受賞。

茨城県水戸市で開かれる「東日本学校吹奏楽大会」の北海道代表になりました。
しかも、2年連続の快挙。

そんなブラスバンドはある悩みに直面していました。お金の悩みです。

新琴似北ブラスバンド指導者の三上充さんが教えてくれます。

「ブラスバンドの活動自体は、中高の部活動とは違って少年団的な扱い。特に札幌市からの補助は一切ない」

ブラスバンドは部活動ではなく、あくまで少年団の扱いのため、市からの補助がありません。
「楽器の輸送費」「交通費」「宿泊費」など、遠征のため、各メンバーの家庭の持ち出しは10万円ほどになります。

その負担を何とか軽くしたいと考えたのが、クラウドファンディングです。

楽器の輸送費100万円の寄付を募りました。

大会を前に開かれた壮行演奏会。

新琴似北ブラスバンド 小嶋英美子さん(小6)
「感謝を伝える演奏会なので、精いっぱい頑張って演奏できたらいいな」

新琴似北ブラスバンド 岸井遥毅さん(小6)
「東日本大会で演奏する『ロイヤルマイル組曲』の3楽章を頑張って練習しているので、特に聴いてほしい」

たくさんのエールを力に変え、自分たちの音色を全国大会のホールに響かせようと奮闘する子どもたち。

そのかいもあって、大会の前日に寄付額は目標を達成!
子どもたちは無事、安心して全国大会に臨みました。

結果は「銀賞」。
悔しくて涙する子どももいたということですが、広い世界に羽ばたいて、経験を増やせたことはこれからの大きな糧になるはず。

その一方で、子どもが夢中になれる何かにお金の心配がつきまとう…同じ悩みを抱える団体や部活もあるはずです。
その現状をこの先どうしていくのか、広い視点で考える必要がありそうです。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年10月2日)に基づき、一部情報を更新しています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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