2024.05.24
深めるさて、こう書いてはみたものの、じゃあ「学歴の無い世界に行こう!」と言ってそうできるのかというと、そうもいかないのがこの現実。
キバナノアマナさんもあたしも、なんならこのコラムを読んでいる全ての人が、これまで同様これからもこの「学歴」という呪いに侵されることはあるんだろうし、それの過程で時に疲弊し悲嘆するんだろうなぁと思うんだけれど。
もしそんな時に、読み返して少しだけ希望を持てる、そんな文章を綴ることができたなら。
そういう気持ちでここからは、キバナノアマナさん、あなたへのエールをあたしなりに書いてみようかなと思うの。ちょっと抽象的な物言いになるけれど、よかったら受け取ってね。
あのね。あたし常々思うんだけどさぁ。
世の中には「学歴」はもちろん、「年収」や「ルックス」、「ジェンダー規範」なんてのも含め、様々な呪いというか囲いというか、人間の行動や思考を特定の方向に規制し統制してしまう、そんな強力な呪縛がごろごろ存在しているなって思うの。
しかもさっき書いたように、そうした呪縛たちはなぜか「当たり前のものとして存在」していて、世の中の土台を作っているようにすら思えるときまである。
「歩は前に1マス」じゃないけど、人生がもし将棋のようなゲームだったとしたら、あたかもその基本的なルールかのように、こうした呪縛たちって場面によっては振る舞い始めたりするんだよね。
そう。呪いというものは、人々を囲い、そして縛ることで、その社会をひとつのテイストで統一された箱庭に変えてしまう力を持っているんです。おっそろしい。
……みんなが自分や他人の学歴を気にして振る舞い、都度ステータスを確認し、それによって相手だけでなくときに自身のことすら傷つけてしまう箱庭。
その中にもし誰かが己が身を置いているとしたら、その箱はもうほぼその人にとっての「棺」。自由な生を奪われていることと同義でしょう。
そりゃ相談文にも書いてくださっていたように、「苦しさと悲しさ、疲れのようなものを感じ」て当然。
しんどい事態だと、あたしも思います。
でも、だからこそ。
キバナノアマナさん。あたしたちはその棺から出て箱庭を去ることを、常に何度だって厭わずにいようではありませんか。映画『マトリックス』のネオや、アニメ『少女革命ウテナ』のウテナとアンシーのように(もしまだ未視聴ならぜひ観てほしい作品たちです。きっとこころに沁みるはず)。
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