2024.04.07
深める「終活」という言葉がめずらしいものではなくなった、人生100年時代の今。
大切な人だからこそ、「最期」や「いなくなったあと」を想像することはどうしても後回しにしてしまいがち…。
だけど、大切な人だからこそ、大切に考えたい、大切なことが「終活」には詰まっています。
連載「親の「終活」を考える」では、Sitakke編集部も自分事で「親世代の終活」に向き合います。
今回のテーマは、親がどこで最期のときを迎えるのか…。
前編・親の“終の棲家”選びは待ったなし?「子どもに迷惑はかけたくないけど、家には帰りたい…」家族みんながつぶれないために考えること【親の「終活」について考える#4ー①】では、家族で決める「落としどころ」や施設の種類の多さについてお話してきました。
いったい、どのように「終の棲家」を選べばいいのか…
今回もソーシャルワーカーとして、施設への知識や相談実績も豊富な終活マイライフの熊崎梨絵さんにお話を伺いました。
ではこれだけある施設から選択する時に、一番大事なことを説明します。
これは単純明快、ずばり 「お金」 です。
私は真っ先に
「いくらまで出せますか」
「今、年金・預貯金・財産など合わせて、いくら用意できますか」と率直にお聞きしています。
その金額なら、「こことここと…と3カ所程度」とか。
「ここしか入れる場所はないですよ」なんてケースも多くあります。
立地とか、本人の希望の機能や広さとかを聞いている場合じゃないというシビアさが、こうした施設選びにはあるんです。
ちなみに、お子さんが、施設の費用を負担するケースというのは、現実的に難しいことが多いというのが、ソーシャルワーカーとしてご家族を見てきた私の見解です。
親世代が、施設への入居を考えるタイミングって、子ども世代が50代くらい。
60代だとしても、今ならまだ働いている人も多いですよね。
子どもの子どもが大学生くらいでまだお金がかかる…などのケースも多く、子ども世代自体が「まだまだ要り様」。
あくまで、親自身の全財産の中でどうするかという選択になってくると考えておいてください。
そういったことを日ごろから話したり、お互いで把握できているといいですよね。
さあ、ではいったいどれくらいのお金が必要なの?というのが気になりますよね。
もちろん、選ぶ施設や、それぞれに必要となるケアなどにより金額は異なってきます。
ですが、月々の基本の料金に、介護などの負担、おむつやその他の雑費などすべて含めて、ひとつの基準として月に20万程度かかる、という大まかな認識があるといいと思います。
そして、これもまた人によって大きく異なりますが、入居の年数については10年以上…という方もめずらしくはありませんから、10年をひとくくりとして考えてみましょう。
すると…
月20万円×1年12か月×10年
=2400万円!
どこかで聞いた「老後に2000万円必要」はあながち外れているものでもないのだな…という現実も見えてきます。
それは貯蓄で賄うのか、家などの財産を売って資金を作るのか、年金で足りないのなら生活保護の申請が必要なのか…考えていく目安にしてみてください。
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