「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、北海道の暮らしにに役立つお天気情報の”見方”を、HBCウェザーセンターの気象予報士がお伝えします。
春は始まりや終わりの季節ですが、気象庁では歴史の一つに幕が下ります。明治時代から雨の日も風の日も、毎日7回(午前0時を除く)3時間ごとに、気象台の職員が外に出て天気や視程(見通しのきく距離)、雲の形などを目で見て観測する「目視観測」を行っていました。
気象レーダーや気象衛星などの技術の進展に伴い2019年以降、地方気象台や測候所で次々に目視観測が終了し、機械による自動化が進められています。北海道では、札幌管区気象台でのみ目視観測が続けられていましたが、3月26日正午をもって、終了しました。
これで、目視観測を行う気象台は、全国で東京と大阪のみになります。
これによって、雲の量や形を見て判断する「快晴」と「薄曇」の観測は終了し、快晴は「晴れ」、薄曇は「くもり」に分類されます。また、氷の固まりで直径が5ミリ以上のものを「ひょう」と呼びますが、目視観測の自動化によりこの観測も終了。視程は視程計を用いた自動観測に、これまで職員が見たり聞いたりして観測していた雷は、雷監視システムと気象レーダーを用いた自動観測に変わります。雨やミゾレ、雪の判別も自動で行われますが、「初霜」や「初氷」、「初冠雪」の観測はこれまで通り、職員の目視となります。
長い歴史のあるものが終わるというのは少し寂しい気がしますが、観測技術が向上している証でもあります。それによって必然的に予測の精度も上がるので、今後の天気予報への影響はありませんよ。これからも変わらず、HBCの天気予報をチェックして下さいね!
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<PROFILE>
文・イラスト: HBCウェザーセンター 気象予報士 児玉晃
HBCテレビ「今日ドキッ!」の番組内でも独特(?)なイラストを使って天気をお伝えしています。HBCウェザーセンターのインスタグラムも開設!予報士のゆる~い日常も見られますよ。
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