2024.03.26
深めるこのプロジェクトは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))の委託研究として約4億円の支援を受け、株式会社KDDI総合研究所などと共同で取り組んでいます。背景には、現状の5Gからさらに高速・安定・大容量の通信が可能になった 「Beyond 5G」の社会の成立を想定しています。
ホログラムによる自然な立体映像に加えて、立体感のある音声、力触覚など、今以上に多量の情報(高度マルチモーダル情報)がやり取りできる社会に向けて、北大では電子ホログラムのデータの計算と電子ホログラフィの表示装置を、KDDIでは伝送技術などを、各企業・大学で分担して取り組んでいます。
令和4年度の研究開始から、榊原さんのヘッドマウントディスプレイ型やルーム型の電子ホログラフィ装置が開発されてきました。
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榊原さんは2024年1月にアメリカの学会に参加。「ヘッドマウントディスプレイを持参してデモをしたところ、多くの人から良い反応をいただきました。もっと研究成果を出して国際学会で発表したいと思いました!」
「まずはメディアを通して、私たちがどんな研究をしているか、皆さんに知ってもらうことも、成果の一つ」と坂本教授。
最後に、これからの“野望”について、榊原さんと坂本教授が、笑顔で話してくれました。
「ホログラムを使った画像や映像を見た人から『本物みたいですごい!』という感想が出てきたとしたら、我々、研究者の“負け”なんです(笑)」
「はじめにお見せした蝶の標本ように、最初から違和感なく、完全に『本物』だと思ってもらえるものじゃなきゃ。私たちはそういったものを目指して研究しています!」
一歩ずつですが、着実にその未来に近づいているとおもうとワクワクしますね!
あなたなら、ホログラフィ技術で何を実現したいですか?
※本記事で紹介されている成果の一部は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の委託研究(JPJ012368C06801)により得られたものです
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文: にの瀬
編集:ナベ子(Sitakke編集部)
取材日:2024年2月