2024.03.24
深める2年前、高校生を前に裁判について伝える講師をしていたのは、これまで顔を出していなかった、原告の1人の中谷衣里さん。
中谷衣里さんは、「結婚できないということで、同性カップルは『想定外のもの』にされてしまうと生活しながら感じている」と高校生に伝えました。
この日、初めて取材カメラの前で顔を出して答えた中谷さん。
「一番の理由は親が顔を出すことを認めてくれたこと。顔と言葉と名前をやっと取り戻せたみたいな気持ち」
そして2023年10月、札幌高裁は全国で最も早く控訴審を結審しました。
中谷さんのXにはこんな投稿が…。
「3月14日に札幌高裁と東京地裁でダブル判決が出ます。これからも、この訴訟の行方をともに応援ししていただけたらうれしいです」
提訴から5年にわたる戦いに、14日、ひとつの答えが出されました。
取材を続けている泉優紀子記者は、最初の訴訟から5年が経っていることについて、「憲法判断は慎重に議論される必要がある一方で、当事者の人生は1日1日と過ぎている」と指摘します。
実際に不利益を経験している当事者たちの生活と、憲法判断のスピード。
そこにギャップを感じると話しました。
■“男性どうしの両親”として。赤ちゃんを産み育てた半年間と、忘れられない命…ひとつの家族の選択肢