2024.03.30
深めるヒマラヤに行く中で色んな仲間が出来ました。キッチンスタッフやシェルパ(ヒマラヤの案内人)達と多く過ごす間に、自然とネパール語も身につきました。一番信頼している友達は、エベレストで出会ったシンガポール人のおじさん。
エベレストとマカルーに登頂できたのは彼のおかげです。小さな悩みでも聞いてくれます。彼とは地上で出会っても仲良くなれていたと思います。
でも同じ遠征で仲間が亡くなったり、救助したりしたことは、何度もありますよ。各々が「何かあっても仕方ない」という覚悟を持って、ヒマラヤに来ているんですよね。自分も死ぬかもしれないと思ってその場に居ますし。
私は長く生きることだけが良いことじゃないと思っているんです。短い人生でも、その人が満足ならそれでいいと思うし、運命だったんだろうなって。だからあまり引きずらないですね。
私もヒマラヤに行く時は、部屋を全部綺麗にします。遺書のようなものも書いて、自分が居なくなっても困らないような準備はしておきますね。母親にも仕方がないと思われています。応援半分、心配半分、みたいな(笑)
私、いまだに学生みたいな精神なんですよ。常にやりたいことにむかって頑張っていたい。死と隣り合わせになることで自分の知らない自分が出てくる。もっと自分を知りたい。
一番は楽しい遠征をすること。楽しくないと意味がないですから。そして今は新しい夢に向かって、準備をしています。
■【前編】ヒマラヤ山脈で”焼きたてクロワッサン”!?8000m峰14座制覇に挑む登山家、渡邊直子さんにインタビュー