HBCテレビ「今日ドキッ!」より、選りすぐりの情報をお届けします。
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「蕎麦はいつか忘れられた存在になってしまう。“蕎麦文化”はどんどん衰退している」
こう話すのは、「日本蕎麦保存会」の片山虎之介さん。
「新型コロナウイルスの影響が大きく、蕎麦店の閉店に歯止めがかからないのです。 閉店の要因は経営難、後継者不足など様々ですが、他には、こんな要因も… 」
「すし、うどん、ラーメンは世界に広がっていて、生き残りをかけて、おいしくする努力をしてきた。でも、蕎麦は、おいしくしようとすると、昔ながらの側から逸脱し、”邪道だ”と言われてしまうことがある」
時代と共に進化するほかの食文化と違い、変化を喜ばれない蕎麦は昔ながらのまま。 そんな中、伝統的な食文化の存続をかけ今、増えてきているのが…“変わり種蕎麦”!
「いろいろな料理と蕎麦を合わせたものが増えている。いろいろな事をやっていかないと前に進めないのでいいことだと思う」、と片山さんも期待を込めます。
苦境の中で生まれた、趣向を凝らした様々な蕎麦。 これが蕎麦文化発展のきっかけになるのでしょうか?
今回は、札幌市内で発見!進化系蕎麦特集です。
住所:白石区本郷通7
営業時間:午前11時~午後3時
午後5時~午後8時
定休日:水曜・日曜夜
インスタグラム:@soba.ha.nomimono
白石区にオープンしたばかりの新店「そばは飲み物、」 。
店名には、”気づいたら無くなっているというくらい、飲み物のように食べて欲しい”という思いが込められています。
飲むように食べられるほど絶品な蕎麦とは...?
「“ラーメンスープ”と“蕎麦”を掛け合わせた“新しい蕎麦”なんです」と店長の伊南さん。
使用する蕎麦は、幌加内産の蕎麦粉と道産小麦を6対4で合わせた麺。 しなやかでコシがありつつ、歯切れが良いいのが特徴です。
そして、つゆに使う出汁は、さつま知覧どりの鶏ガラと羅臼昆布のWスープを使用しています。
さつま知覧どりとは、主に鹿児島県で飼育されている鶏の一種。
一般的に流通している若鶏に比べ約10倍の飼育日数である450日間かけて飼育することで、コラーゲンが多く、脂乗りがいいのが特徴です。
さつま知覧どりと羅臼昆布で出汁をとれば、何層にもうま味がぎゅっと凝縮されたスープに。
それに合わせるのが…
「塩のかえし、しじみだし・白ワイン・塩3種をブレンドしています!」
店主の伊南さんは、実は元ラーメン職人。
ラーメン界で培ったスープの技術を蕎麦に生かしているんです。
「若者に”好きな麺類”を聞いたところ、蕎麦は出てこなかった」と店主の伊南さんは言います。
若者にあまり浸透していない蕎麦文化にチャンスを見出し、新たに作り上げた唯一無二の蕎麦がここに。
ラーメンのような、うま味を凝縮した鋭い風味を感じつつも、慣れ親しんだ蕎麦の優しい風味と食感。
二つのグルメを掛け合わせたまさにハイブリッドな一杯です。