2024.03.12
出かけるそこは、足場で地上6メートル。天井までで8メートル以上。
木の上で暮らすオランウータンが本来の動きができるよう、天井を高くして空間を確保しました。
その高さを支える柱に、この日、ある作業が施されていました。
阿吽の呼吸で柱が「木の幹」に仕上げられていきます。
モルタル塗装を重ね、お客さんとオランウータンから見られるすべてが、質感までしっかりと木そのものに生まれ変わります。
まさに職人技です。
工事が進む中、2度の冬を越え、動物病院での生活を続けていたレンボーとレイト。
引っ越したはじめは元気だったといいますが、仮住まいでの生活が長くなると、表情が暗くなり、下痢をするようになった時期もあったのだといいます。
ただ、そうした状況も乗り越え、建物の完成が近づくにつれ、元気になってきていました。
特に3歳になったレイトは遊びたい盛り。
お盆を投げてみたり、木の枝でこちらの気を引こうとしたり…。
つばを吹きかけてくることも。
そのころ新施設では、お客さんが実際に歩くエリアの工事が進んでいました。
こうした工事は、すべて、模型を基に作られています。
岩場や滝も平面図からは見えてこないリアルな姿を、ミリ単位のこだわりで形にしていきます。
岡三リビックの椎木絢菜デザイナーは「図面上の細かい寸法では表現しきれない部分があるので、模型がすべて」だと重要性を話してくれました。
動物園側と100回以上のやりとりをして、作り上げた模型。
岡三リビック・大川浩さんは「模型を見ながら、職人たちと共通の認識で『ボルネオ』というイメージを作り上げていった」と話します。
木の苔の表現ひとつ、岩の質感ひとつも「南国」のイメージをしっかり意識しました。
目指すのはオランウータンが暮らすふるさと・東南アジアのボルネオ島の森を完全に再現することです。
そして、職人たちが数か月をかけて作ったこの場所が、今度は森になっていきます。
李泳斉飼育員も「実際にボルネオ島に生息する植物を入れた瞬間、息吹が、一気に建物に命が入った」と感動。
注目なのは、その植えられ方です。
■シマエナガちゃん、酔っ払っちゃった? 顔がほんのり...のワケは?