2024.01.27

深める

【ロケ密着①】映画『ゴールデンカムイ』はこうして作られた。北海道・二風谷で行われた杉元・アシㇼパの「コタン」シーン、美術スタッフが込めた想い

自然との調和を考えて手掛けた「コタン」の風景

磯見俊裕さん

このコタンのセットも、二風谷や、日本各地でチセ(アイヌの住居)造りをしている方々の協力のもと、進めてきました。

(史実では)チセは、植物のカヤを使って作る地域が多いようですが、基本的にはそれぞれの地域でよくとれる、地域に適した植物で作られるそうです。チセの建て方も、(当時は)釘があるわけじゃないし、シナ(落葉広葉樹)の繊維などでロープをつくって、くくっていたそうなんです。

セットをつくるにあたって、このあたり(ロケ地)の地域は、柳とハンノキが多いので、この景色に合った材料を用いることにこだわって、ハンノキを多用しました。

自然と向き合いながらつくる『ゴールデンカムイ』の世界観

チセの建て方については、いくつか資料もありますし、全国のチームの中には大工もいますので、資料を読みながらある程度きちんと作ることはできます。ただ、すべて資料に基づいた作り方をしていると、1つのチセをつくるのに2か月くらいかかってしまうんですね。材料のことなどもありますし。

この場所にコタンの集落をつくって、チセを建てようと決まったのが2022年の6月くらい。今回のセットのように、7軒のチセを建てるとなると…14か月はかかってしまいます。

磯見俊裕さんが中心となって手掛けた「チセ」

ですので、外側だけを撮影に使用するチセは、外側はしっかりチセの作り方に倣(なら)って組み立てて、内側は一般的な「小屋組み」の方法で作成するなどの工夫をして、製作期間を短縮しました。また、雪が降ってからセットを作るのは困難なので、2022年の夏ごろから作業をして...
今回のシーンを撮影するために、雪が降るのを待っていました。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

この記事のキーワードはこちら

SNSでシェアする

  • X
  • facebook
  • line

編集部ひと押し

あなたへおすすめ

エリアで記事を探す

FOLLOW US

  • X