2024.01.23
暮らす“私らしい暮らし”を実現するための選択肢として 「IT」業界の可能性に注目。多様なロールモデルを、札幌のIT業界で働く人々の取材を通して探っていく連載【ITで、もっと私らしく】。
前回⇒「ほぼ全員がフルリモート勤務。子育てと両立した働き方で“革命的AI”を生み出す」北大発AIベンチャーに注目
この度の連載のフィナーレを飾る第6回目は、2023年4月に新卒としてIT業界に入ったばかりの新人エンジニアである佐藤千咲さんに、お話をうかがいます。
「新しいモノやゲームが好き」と語る佐藤さん。同じくゲーム好きな同僚たちに囲まれながら、”自分らしく”イキイキと活躍されています。
株式会社インプル
札幌のアプリ開発会社。モバイルアプリ開発を効率的に行えるReact NativeやFlutterなどの最新技術を駆使し、AndroidとiOSの両方に対応したクロスプラットフォームアプリケーション開発を得意としている。その先進性やCAGR(年平均成長率)60%以上の実績など、これからの成長が期待される企業としてJ-Startup HOKKAIDO認定スタートアップ企業にも選出された。詳細は公式HPにて。
— 新卒で入社して半年。働き心地はいかがですか?
楽しいです! まず、居心地が良いです。初めて社会に出るので、入社前は不安もあったのですが、会社ってこんなに自由でストレスフリーなんだと衝撃を受けました(笑)
上司も先輩も同期もみんな話しやすくて、質問もしやすいですし、空き時間には休憩スペースに集まって、プライベートの話もしています。
—ストレスフリーな環境を象徴するようなものはありますか?
例えば、休憩スペースに会社の経費で買ったゲーム機が置かれているんですよ! 社内にはゲーム好きの人が多くて、昼休みや業務時間後にみんなでプレイしています。私もゲームが好きなので、話が弾みますし、休日にオンラインで一緒に遊んだり、大会に出場したこともあります。
キャンプなどアウトドア系の趣味を持つ先輩もいて、全体的にオンもオフも大切にしている人が多い印象です。
— それは楽しそうですね! 働き方も自由ですか?
そうですね! 週のうち1日は出社日として設定されているのですが、その他の日はリモートワークも選べます。私は適度な緊張感があった方が集中できるのと先輩に質問がしやすいので、出社することが多いですが、天気が悪い日や体調が優れない日はリモートワークを選んでいます。
出勤時間もフレックス制で、生活リズムに合わせられるのが嬉しいです。私は地下鉄で通勤しているのですが、ラッシュアワーからずらせるので、通勤中は座ってゆっくり本を読んだり、スマホを操作したりして、時間を有効に使っています。
有給休暇も、先輩たちが積極的に取得しているので、私も気兼ねなく取っています。さらに、服装も自由、仕事をする席も自由。自分のペースで自分らしく働けていると感じています。
つい先日は、普段の職場から離れ、積丹町でワーケーション(※ワーク+バケーションの造語)をしました!
8月から10月まで、毎週3人〜5人の社員が2泊3日で積丹町に行き、会社と提携した温泉施設内でリモートワークをする制度があるんです。仕事が終わった直後に温泉に入って、焼き肉をして。夜の星空もキレイでしたし、朝起きたらすぐに海を見に行ったり、とても楽しかったです! 上司や同期との親睦も深まりました。
— ワーケーションの機会を会社が用意するなんて、すごく先進的ですね!
— なぜIT業界へ飛び込んだのですか? 昔からパソコンに親しみがあったのでしょうか。
いえ、高校生までパソコンは授業で触るくらいでした。大学でプログラミングを本格的に学べる情報工学科を選んだのですが、数学や理科が好きで「何となくだった」のが正直なところです。ただ、パソコンで作られた初音ミクの曲を聴くのが趣味で、今思えば、プログラミングに憧れはありました。
今もそうなのですが、時代に置いていかれたくない、トレンドを押さえたいという意識もありました。生活していると身の回りのいろんなことがIT化され、便利になっているのを感じるじゃないですか。病院の受付にタッチパネルが使われたり、コンビニにセルフレジが導入されたり。そうした新しいモノの開発に自分自身で携わってみたいと思ったんです。
今も新しいIT技術を見ると、どういう仕組みでできているのだろうと興味が湧きます! 最近だと、触らなくても操作できる「非接触式タッチパネル」に気を引かれています。
— 入社後、どんな業務を担当しましたか?
入社直後は、研修の一貫として、同期とともに社内業務用の議事録管理アプリを開発しました。現在は、不動産関連のwebシステム開発チームの一員として、実際にPCでシステムを操作し、不具合等を発見する「評価業務」を担当しています。
— 手応えはどうですか?
今までやったことがないことに関われているのが楽しいです! 議事録管理アプリの開発では、音声から自動で書き上げる機能など、私自身が「こんな機能があったら良さそう」と考えたものを自分の手で開発する経験ができました。現在の「評価業務」では、不具合が出やすいポイントを学べているので、今後の開発に生かしたいです。
仕事をしていると、まだまだ知らないことがたくさんあって、できることが増えていくのが楽しいです。仕事だから取り組んでいる、というより、面白いからやっているという感覚です!
— それは素敵ですね! 今後の目標は?
大学時代に、AR※(拡張現実)を扱うゼミにいたので、いつかそれを活用したシステムを開発できたらいいなという気持ちがあります。例えばスマートフォンやパソコンが手元になくてもレンズ型デバイスなどで情報検索やメールのチェックができたら便利だろうなと思いますし、音声や目線で操作できる機能をつければ両手が空いて自由度も高そう……と一人イメージを膨らませています。
※AR:専用デバイスやスマートフォン等を用いて現実世界に映像やデジタル情報を重ね合わせる最新技術
— 半年間IT業界で働いてみて、どんな人が向いていると感じますか?
次々と新しい技術が誕生したり、ソフトや情報がアップデートされるので、常に新しいものに挑戦できる人、調べるのを苦にせず楽しめる人が向いていると思います。
プログラミングの経験がなくても大丈夫です。私の同期も半分はまったくの未経験ですし、文系出身者もいます。先輩から聞いたのですが、未経験から転職し、1年半ほどで周囲から「エース」と呼ばれるほど活躍されている先輩もいます。
ぜひ積極的にチャレンジしてほしいです!
「好きじゃないと続けられないタイプ」とご自身のことを語る佐藤さん。話ぶりからも楽しさが滲み出ているインタビューでした!
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『ITで、もっと私らしく』での連載を通じて、異なる経歴や業務内容、立場を持つ6組の素敵な女性たちに取材し、さまざまなロールモデルを紹介してきました。皆さんは、彼女たちの働き方の柔軟性や社会への影響、そして持っている熱意にふれ、どのように感じましたか?
今回の連載が、一人でも多くの方に勇気や意欲を与え、新たな挑戦への一歩を踏み出すきっかけになれば、私たちも大変うれしく思います。
その挑戦が”私らしい暮らし”を実現できる素敵な未来につながることを、心から応援しています!
共同企画:一般財団法人さっぽろ産業振興財団
文: にの瀬
編集:ナベ子(Sitakke編集部)
取材日:2023年10月