2024.01.04
暮らす5月、幌加内町の朱鞠内湖で、1人で釣りをしていた男性の行方がわからなくなりました。
観光施設の職員が、釣りをしていた場所まで迎えに行った際、クマを目撃。
クマは「胴長」とよばれる、釣りで使われる、胸まで隠れる長靴をくわえていたといいます。
その後、頭部や胴体の遺体が見つかり、男性とDNAが一致。
近くで体長1.5メートルほどのオスのクマが駆除されました。
クマの胃の内容物を調べた結果、クマは男性を食べていたこともわかりました。
なぜ事故は起きたのか。
クマは積極的に人を襲う動物ではないと言われています。
しかし、近くに子どもや食べものなど守りたいものがある場合や、見通しの悪い場所でばったり出会った場合などは、人を攻撃することもあります。
しかし、男性が釣りをしていた場所は、森からは少し距離があり、開けた場所でした。
北海道ヒグマ対策室は、「茂みなど見通しの悪いところでばったり出会ったのではなく、見通しのいいところにいたのに、クマから近づいてきたのではないか」と話しました。
クマが近づいてきた理由について、道は3つの可能性を挙げました。
可能性①「好奇心が強かった」。
若いオスのクマは、好奇心が強く、住宅地にも現れやすいと言われています。 今回、朱鞠内湖で駆除されたクマも、3才の若いオスだったということです。
可能性②「人の持ち物を狙っていた」。
事前に人が持っている食べ物や、人が捨てたごみ、釣った後に残された魚の残骸などを口にして、人に近づくといいことがあると学習してしまったために、男性に近づいた可能性もあります。
しかし、朱鞠内湖は比較的よく管理されている場所で、ゴミなどのトラブルはあまり聞かないといいます。
可能性③は、そもそも「積極的に人を襲いたいと思っていた」。
どの可能性が正しいのか、ほかに理由はあるのか。
好奇心で近づいたにしても、なぜ近づくだけで終わらず襲ったのか。
目撃者もおらず、詳細はわかっていません。
開けた場所にいても、クマのほうから近づいてきて襲われる…
道は、「特異なことかもしれないが、その可能性はあると意識して、身を守る備えをしてほしい」と呼びかけます。
クマと人の、適度な緊張感が崩れ、危機感が高まっています。
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