2024.01.04
暮らす“クマの常識”が、変わりつつあるのかもしれない…。
そう思わされる出没や被害が、2023年の北海道にはありました。
2023年の北海道のクマをめぐる状況を振り返りながら、これから求められるものについて考えます。
連載「クマさん、ここまでよ」
【この記事の内容】
・“クマの常識”が変わりつつある?
・なぜ?疑問が残る死亡事故
・100年前から続く課題…これからは
2023年3月12日。カメラがとらえたクマの姿が、あまりにも穏やかだったために、危機感を覚えました。
木に抱き着くクマ。 手を伸ばしたり、枝をかじったり、のんびりくつろいでいるように見えます。
目撃通報があったのは午前7時すぎ。警察や市の職員、ハンターが駆けつけても、クマはまだ現場にいました。
一度山のほうへ向かったと思っても、また戻ってきて、午前10時半ごろまでその場にとどまっていました。
基本的には、クマは人をこわいと思っている。それが「常識」でした。
なのに、なぜこのクマはくつろいでいるのか…
後になって、クマがいた木の根元の近くに、シカの死がいが埋まっていたことがわかり、札幌市は「クマはシカの死がいに執着していた」とみています。
クマが人の生活圏の近くにとどまっていたのには、「理由」があったわけです。
しかし、こうした人を見ても逃げないクマが目撃される機会が、全道で少しずつ増えてきたように感じます。
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