2023.12.23
深める遺産といえば、預貯金、不動産などがわかりやすいところですが、油断ならないのが貴金属類です。
腕時計にも、なかなか貴重で中古品でも高値で取引されているものもありますし、金は価値が上がり続けているので、もしかしたら何十万単位の遺産になる可能性があります。
ものを分けるのか、売ってお金を分配するのかはともかく、これらはまずは「鑑定」してもらう必要があります。
鑑定してもらうところにたどり着く、つまり、「相続財産」がどれだけあるのかの洗い出しが実は一番大変なんです。
だからこそ、前回お話した自宅の整理が大事になってくるんですよね。
また、自動車ローン、カードローン…ローンとついていればそれすなわち借金。「負の遺産」です。
ちなみに、住宅ローンの場合は契約者が死亡した場合、支払い免除…などのケースもあるので、個別に調べてみてくださいね。
そして、北海道で多い相談パターンが2つあります。
北海道といえば、農業・漁業など第一次産業が盛んな土地柄。
そのため、機材のリースやローンを組んでの購入というのはその分身近な話です。
こちらも、「終活」を考える際には契約状況や支払い状況を忘れずに確認しておくことが重要です。
もうひとつ相談が多いのが「空き家」。
全国的な問題ですが、過疎化が進み、若い人が道外に出ることも多い、北海道という土地柄は特にこの「空き家」をめぐる相続は問題となりやすいです。
正直、カードローンなどはもし見逃していても、利息が少し増える程度で済みますが、空き家はそうはいきません。
放置するほど維持管理に費用がかかり、賃貸に出すなどして得られたであろう本来の経済的利益も得られず、固定資産税も取られっぱなし。
「負の遺産」の度合いが大きいんです。
そのうえ、冬が長い北海道だと、雪などの影響で家が傷むのも早い!
空き家問題が絡むと、相続する遺産がトータルで「マイナス」になる可能性は一気に高まります。
ぜひ、そのときを迎える前に、親がいなくなったあと、家はどうするのか、もしくはすでに空き家を放置していないか、危機感をもって、しっかりと確認しましょう。
実は、いざ空き家を処分しようと思っても、まったく身動きがとれず、ただただ費用がかさむ、こわーいケースに陥るパターンがあるんです。
いったいなぜ?
後編では、その対策と、大事な大事な「遺言書」のあれこれもお伝えします。
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