2023.12.23
深める2022年度の、遺産分割、つまり相続に関わる事件数は6915件。
そのうち、1000万円以下でもめたケースは3分の1の2296件。
5000万円以下のケースになると、全体の75%にも及びます。
持ち家などがあれば、1000万円~5000万円って意外と遠い数字じゃないですよね。
ということは、ほとんどのケースが、ごく普通のご家庭で「争族」になっているということ。
服部監事によると、「むしろ残された遺産が少ないほど、損をしたくない心理が働いて、取り合いが壮絶になる場合もある」のだといいます…。
例えば、実家のお父さんが亡くなった場合を想定してみます。
兄弟の中に、一人だけ、大学の入学金を全額負担してもらっていた人がいたり…。
結婚後、親との同居をしていた人がいたり…。
そうすると、「あのとき多く出してもらっていたじゃない」とか、「同居して晩年の面倒をみていたのに、遠方で年に2.3回しか顔を見せない兄弟と等分は不公平だ」とか…。
経済的な負担や、これまでの親からの援助が偏っている場合がキケン。
・親の介護費用
・大学の入学金
・家のローンの頭金
・事業運転資金
などをめぐってこじれてしまうケースが多いといいます。
そして、やはり、普段の関係性が親子・兄弟間で疎遠であるほどもめごとは起こりやすいのが現実。
事前の準備、情報共有が大切です。
また、「争族」となってしまうケースで残念ながら少なくないのは、本来の当事者である子どもたちの配偶者が意見を言い出して、収拾がつかなくなるというパターンです。
兄弟同士はある程度納得したのに、
「どうしてもっと主張しないんだ」
「本来は等分でもらえるんだぞ」
などと、まとまりかけていた話がひっくり返ってしまうなんていうことも。
じゃあ、自分の場合はどうなんだ?と考えて、大丈夫だと思っていても、「絶対はないんだ」としっかり認識しておいてほしいと思います。
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