2023.12.05

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危険を冒し「それでも勉強して、社会に出たい」車椅子の60歳男性が校歌の一節に重ねる希望【連載】星のまなびや~札幌発・夜間中学に集う人々(10)

冬がやって来る

札幌に今年、初雪が降ったのは、平年より10日遅い11月11日でした。その雪は一旦融けましたが、根雪になる日はもうすぐそこまで来ています。吉野さんは「雪の上を車椅子でこぐのは、しんどいですね。通学だけでなくて、買い物や用足しもいろいろありますから。私はもう年だから、若い時の様にはゆかなくなって来て…」と空を見上げました。

太い腕は「長年、車椅子を使って来たから(本人談)」だそうですが、いつも前向きな吉野さんも、冬の外出の話になると曇り顔です。

私は吉野さんと同年代です。「若い時の様には…」という吉野さんの本音が沁み入りました。それでも車椅子をこぎ、中学校の教科を学び直し、ピアノを覚えようとする姿に、ただただ頭が下がるばかりでした。

(左)シンガーソングライター・半﨑美子さん

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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