2023.12.04
深める*日本語担当 信田麻紀子教諭
外国から来た生徒には、勉強に必要な言葉の習得に加えて、生活言語としての日本語が求められます。例えば、買い物に行ったら「いくらですか?」、通学時には「学校はどこですか?」といった基本的な会話のための日本語です。サフィウーラさんの場合、1年経って、私の立場からすると、今後はどこを目指して日本語を教えてゆくのがよいのか、正直なところ迷っています。
ここは言葉の学校ではなく、勉強も文化も対人関係も学んでもらう場だからです。一人一人の生徒が背負ってくる過去や生活環境は千差万別なので、試行錯誤の連続です。
*注1)アフガニスタンでは、2021年8月、タリバン(イスラム主義組織)が当時の政府に平和的降伏を求め、同年9月、暫定政権を発表して、権力を掌握しました。
*注2)札幌市立星友館中学校は、入学を随時受け付けています。9月から12月までの間に受け付けの場合は来年4月入学となり、来年1月から8月までの間に受け付けの場合は来年5月から10月までの間の入学となります。詳細は同校へお問い合わせください。
◇文: HBC・油谷弘洋
【連載記事のラインナップ】
●プロローグ 開校2年目の夏~札幌市立星友館(せいゆうかん)中学校
●エピソード(1)モロッコと清龍~異国で生まれ育ったある日本人の場合 その1「思い出したくもない過去」
●エピソード(2)モロッコと清龍~異国で生まれ育ったある日本人の場合 その2「奇跡の来日」
●エピソード(3)農作業と入院~少女時代を取り戻す82歳と72歳の青春
●エピソード(4)同級生の前にさらされて…不登校経験者・Y(19歳)
●エピソード(5)「虐待で育ったから…」父子で通う同級生親子
●エピソード(6)3時起床23時就寝…もっと勉強したい56歳
●エピソード(7)モロッコと清龍~異国で生まれ育ったある日本人の場合・その3「再びホームレスと…」
●エピソード(8)「自主」と「公立」~交流で“生きた学校”として変わり続ける”まなびや”