2023.12.04

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片道2時間30分かけて通学「勉強を続けて、世界で車を売りたい」アフガニスタンから来た17歳男子が見つめる未来予想図【連載】星のまなびや~札幌発・夜間中学に集う人々(9)

浮かんだ詩の意味は

(左)友人 (右)サフィウーラさん=帰省した時の様子(カブール郊外・8月)

今年8月の夏休みに、パスポートの更新手続きのため、カブールに帰省しました。故郷では母の手料理を久しぶりに食べ、大好きなおじいちゃんの家に行って土産話をして、友だちと川遊びをして、のんびり過ごしました。

「アフガニスタンの景色が好きです。山、川、空。雪も降ります。北海道の景色も好きです。日本人は優しいです」

冒頭で紹介した詩は、今年の元日、苫小牧の自宅で父と過ごしていた時、ふと浮かんだそうです。とても穏やかな時間だったそうです。

「あなたの瞳の中で生き、あなたの腕の中で死に、あなたの心に埋もれたい」

学校の名札=「咲風宇良」の漢字は日本語担当の教諭が充ててくれた

故郷では、現在、詩作や芸術活動は厳しく制限されています。そのこととサフィウーラさんが詩を作ることに関係はあるのか、詩の中に出て来る「あなた」とは誰なのか、私はその質問をまだできないでいます。

そもそも政変が起きた国の少年が、こんなにも近くにいて、こんなにも長い時間をかけて通学していることに、私の驚きはまだ収まらず、その時をもう少し待とうと思います。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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