2023.12.04
深める今年8月の夏休みに、パスポートの更新手続きのため、カブールに帰省しました。故郷では母の手料理を久しぶりに食べ、大好きなおじいちゃんの家に行って土産話をして、友だちと川遊びをして、のんびり過ごしました。
「アフガニスタンの景色が好きです。山、川、空。雪も降ります。北海道の景色も好きです。日本人は優しいです」
冒頭で紹介した詩は、今年の元日、苫小牧の自宅で父と過ごしていた時、ふと浮かんだそうです。とても穏やかな時間だったそうです。
「あなたの瞳の中で生き、あなたの腕の中で死に、あなたの心に埋もれたい」
故郷では、現在、詩作や芸術活動は厳しく制限されています。そのこととサフィウーラさんが詩を作ることに関係はあるのか、詩の中に出て来る「あなた」とは誰なのか、私はその質問をまだできないでいます。
そもそも政変が起きた国の少年が、こんなにも近くにいて、こんなにも長い時間をかけて通学していることに、私の驚きはまだ収まらず、その時をもう少し待とうと思います。
【連載記事のラインナップ】
●プロローグ 開校2年目の夏~札幌市立星友館(せいゆうかん)中学校
●エピソード(1)モロッコと清龍~異国で生まれ育ったある日本人の場合 その1「思い出したくもない過去」
●エピソード(2)モロッコと清龍~異国で生まれ育ったある日本人の場合 その2「奇跡の来日」
●エピソード(3)農作業と入院~少女時代を取り戻す82歳と72歳の青春
●エピソード(4)同級生の前にさらされて…不登校経験者・Y(19歳)
●エピソード(5)「虐待で育ったから…」父子で通う同級生親子
●エピソード(6)3時起床23時就寝…もっと勉強したい56歳
●エピソード(7)モロッコと清龍~異国で生まれ育ったある日本人の場合・その3「再びホームレスと…」
●エピソード(8)「自主」と「公立」~交流で“生きた学校”として変わり続ける”まなびや”